石橋正彦裏話
ペテン師石橋こと、杜沢泰文(現・杜澤たいぶん)様が掲示板に書いてくれている
裏話をお借りしている写真と共に再掲載しています。
 
石橋正彦裏話その5  投稿日:2008年 1月21日(月)22時44分50秒

石橋正彦2回目の登場は輪島に続き金沢ロケで私としてはまだまだ舞上っている状態。

ゲストは皆さんもよくご存知の「北川美佳」さん。この撮影のしばらく後でした、私の大尊敬する「三船敏郎」氏と一緒になられ、その時のお子さんが現在大活躍の「三船美佳」さんですよね。

撮影の時、北川さんはなんて綺麗な人なんだろう!と思いながら、私が芝居をすると結構ふきだす(笑う)んです。今回DVDを見ているとそこの辺が明らかに分かるんです。(分かるかな?)

その時はこの人笑い上戸なのか、それとも「こんな変な役者見たことない」のかな?なんて思っていたんですが、さて東京に帰って放映を見た友達から電話があり
「おい、良かったな北川と芝居が出来て、北川も喜んでただろう」って言うんで
「何?・・・なんで」って言うと
「お前馬鹿だな、一緒にレッスン受けたただろうよ!」
「え!あーあ!あの北川さんなんだ!」
「お前馬鹿か、それじゃ撮影している時も何にも話しなかったんだ」

がーん!

……そうなんです。私が大学受験に失敗し、その後ひょんなことからオーデションを受けた、あるプロダクションの夜の演技の授業でご一緒していたんです。「あーあ、あの時の北川さんなのか・・・」「馬鹿だな、きっと今頃冷たい奴だと思われているよ」「おいおい、そんなこと言うなよ本当に分かんなかったんだよ」

何で分からなかったのか?舞上っていたから?あまりに綺麗になられて見とれていたから?…そうか!北川さんもあまりに変わった私を見てそれで吹きだしていたのか!。それだったら北川さんもちょっと声を掛けてくれればいいものをなぁ!

第50話、宝探しに余念のない正彦。

そう言えばロケバスで出番を待っている時の事。東宝出身の先輩の役者さんがいて私が尊敬する三船敏郎大先輩の事を色々知りたくて黒澤作品の当時の事お聞きしていたんです。

その話の中で三船大先輩の事を「でもねぇ」とちょっと中傷する様な事をおっしゃったんです。ふとロケバスの一番後ろを見たら、北川さんが座っていらして、やけに不機嫌そうな顔をしていたんです。「あ!いけない!役作りをしているのにうるさくベラベラしゃべっていて、きっと不愉快なんだ」とその時は思ったんです。

が、実はそうではなかった事が前述の友達の電話の話で初めて分かったんですよ。
現場で分かっていれば懐かしい10代の頃の事、色々お話出来たのに……今も残念に思う正彦なのです。

…ああ、あの時の北川美佳さん、本当に綺麗でした……。

杜澤たいぶん。