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「機関車野郎をやっつけろ −福岡の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
食堂のオーナー・・・森実重雄


「スクラップとなっていたK-100を再び動けるように仕上げた末永隆に、ある日ケー100の最初の運転手だったという北海道の老人から一通の手紙が届いた。ぜひもう一度K-100の運転台に座りたいという老人の訴えに、隆は北海道行きを計画したのだが足に大怪我をしてしまった。悔しがる隆の願いを実現すべく鹿児島を出発した伊賀山紋太、目指すは遙か北海道。さて、どういう事になるのか・・・」

今回もいつもの軽快なナレーションをバックに福岡県に入ったK-100は大濠公園の池の橋を渡っていた。
するとK-100を追い抜いていく数人の子供達。「おや?」と紋太が見てみると一人を三人で殴りつけている。
慌ててK-100を降りて間に割ってはいる紋太。殴られている少年から三人を引き離しこづいて追っ払う。
するとそのリーダー格の少年(アキラ)が「よくも恥をかかせてくれたな、この礼はきっとするぞ!」と捨て台詞を吐き三人は走り去る。
と、そこにボロボロな姿の少年二人が駆けつけてきた。どうやら元々三対三の喧嘩だったらしい。

その頃節子とノブちゃんは相変わらず一緒に行動していた。そこで節子はノブちゃんから紋太のお母さんが鹿児島から福岡に向かった事を知る。
そして節子は旅行記の為、ノブちゃんは便乗旅行の為二人共同でおかみさんから紋太を守る事になった!

その頃紋太に仕返しに来た悪ガキ三人は物陰から包丁を持つ紋太を見て「あんな物振り回す奴はマトモじゃない、今に見てろ!」と引き返していた。そんな事とは露知らず、紋太は公園で助けた子供達に「金欠でバイトをしないと先進めないんじゃ、どこかいい仕事はないかな?」と調理師の資格を持っているのをアピールする為My包丁を見せていだけだったのだ。
そこにノブちゃんとの連絡用にもの凄くでかいトランシーバーを持って現れる節子。そしておかみさんが福岡空港に着いたと聴き早く福岡を離れようと紋太をうながす。「しかし仕事が・・・」と渋っていると少年達に仕事があると進められ志賀島(しかのしま)に出発する。
その後を悪ガキ三人が通りかかったトラックをヒッチハイクしつけていった。

志賀島に着いた紋太は松林にK-100を止めて一人食堂の面接へと赴く。その隙に悪ガキ三人組はケー100をぶち壊そうと手に手に棒切れを持って殴りつけようとしたその時!
「ボ〜〜〜〜〜!」とK-100の汽笛が鳴りビックリして逃げてしまう。しかしすかさず二度、三度とチャレンジするがその度に水をかけられたり、煙を吐かれたり、パトカーのような音をたてられたりとうまくいかず思わず一人が呟く。
「ありゃ化け物だ・・・」
そしてアキラは「化け物相手にしてもしかたがない、持ち主に徹底的に仕返ししてやる!」と
調理場に忍び込んだ三人は砂糖と塩を入れ替える事に成功!紋太さんはせっかくのバイトをクビになってしまう。

しょげて店から出てくる紋太はそこに3人の姿を発見!3人の乗ったバスを追いかけて福岡に戻って来る。
するとそこでバッタリアキラのお母さんと会い文句を言うが「あの子にはさじを投げてるのであの子が何をやっても責任とれません」と言われてしまう。
それを陰から見ていたアキラは「お母ちゃんに何か告げ口しやがったな!汚い奴、もう許せない!あの野郎の仕事とことん邪魔してやる!」といきりたっていた。

そして紋太は一人大濠公園でアキラの母親について考えていた。「あの母親に比べたらうちのお袋は・・・」
そこにやってきた節子が
「まさか帰りたくなったんじゃないの?目的の前には親子の情なんて小さい小さい・・・」
「そんな事なかです!お袋ってのはいいものです!」と反論する紋太。
すると「バカねぇ、そんなあたりまえのセンチな事言ってんじゃないの」と節子にたしなめられてしまう。
そこにノブちゃんからおかみさんが買い物に行ってる間に状況を教えてと連絡が入り天神町の千鳥屋というケーキ屋のバイトが決まったと言う節子。
しかしその通信をおかみさんはノブちゃんの後ろで聞いていた!

さて千鳥屋に入った紋太はここでもあの悪ガキ三人と会う。店の喫茶コーナーでコーヒーを1杯だけ注文する三人。
たちまち紋太さんの頭にアキラがコーヒーに虫のオモチャを入れて難癖つける妄想が広がり三人の前で見張る事にする。
しかしそれはアキラの誕生パーティ−だった。
「ケーキもない誕生パーティーなんてなかとよ」と疑う紋太。
しかし何年も家族に誕生日を祝ってもらっていないアキラは、ここ毎年仲間とケーキなしのコーヒー1杯だけの誕生パーティーをしていたのだ!そして「誕生パーティーが終わるまでお前との戦争も休戦だ!」と一喝されて奥へと戻る紋太だった。

その夜、店の工房にいる紋太さんの前におかみさんとノブちゃんが現れる。
早速連れ戻そうとする嘉代に抵抗する紋太。
嘉代は「お父さんが病気で・・・」と嘘までつくが紋太にあっさり見破られるも「たしかに嘘たい!」と開き直るだけであった。
とりあえずこのケーキを仕上げるまでと猶予をもらいバースデーケーキを完成させる紋太。
するとそこにアキラの投げたボールがケーキを直撃!
クリームまみれになる紋太、嘉代、ノブちゃん。
しかしそれは、紋太がアキラの為に作ったバースデーケーキだった!
それを聞いたアキラは「俺の母ちゃんもしてくれないパーティ−をしてくれるのかい?・・・お兄ちゃんのバカヤロー
と紋太に抱きつく(!?)アキラ。
紋太「もう人の迷惑になる悪い事はしないと約束できるか?」
アキラ「うん!」
それを見ていた嘉代は「ケチケチせんともう一個つくってあげんかい!」と太っ腹だった。

翌朝、K-100の煙突と公園の木の間にロープを張って干していた洗濯物を取り込んでいた紋太さんの所にアキラたち三人が昨日のケーキを持って現れる。4人で食べようと取って置いたというのだ。喜んで食べる紋太。
しかし昨日あれだけ詰め寄ってきた嘉代の姿が見えないのを怪訝に思っているとアキラが告白する。
実は嘉代とノブちゃんはアキラ達の手によりケーキ屋の工房で縛られて身動き採れなくなっていた。
「え?」と驚くもとりあえず感謝する紋太さん、みんなと記念撮影をして隆くんに送ってあげようと立ち上がるとそれに合わせたようにK-100の車体が揺れ汽笛が鳴り、それにびびったアキラたちは一斉に逃げ出してしまう。
笑いながら紋太さんはK-100のランプをなでてやり汽笛が収まったところで振り返ると目の前の洗濯紐に引っかかりずっこけた。
その姿がストップモーションになって
(つづく)


今回はなかなかテンポよく悪ガキと紋太(K-100)の攻防で話しが進みそして最後にはホロっとさせる軽快な作品です。
子供たちが勝手に汽笛が鳴るK-100を化け物と怖がるなど、ひょっとしてこれが普通の人のリアクションではないのかと思わされました。
でも紋太は料亭の息子で板前という設定ですが洋食から果てはケーキまで作れるとはさすが!(笑)
それにつけてもケーキ屋の工房での紋太と嘉代の押し問答は親子っぽくて絶品!特に嘉代役の石井富子さんは最高です!
しかしアキラくんの捨て台詞はほとんど時代劇に出てくるチンピラヤクザ

節子とノブちゃんの連絡用トランシーバーのでっかい事!今なら携帯ですんでしまうんでしょうが何かにつけて大げさに見えていいです。
紋太がチョコで書いたバースデーケーキの文字もHappyBirthdayでなくたんじょうびおめでとうという所が時代でしょうか。

さて次回はいよいよ最初の難関、関門海峡突破編です。お楽しみに!

(2002.4/28up)


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