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「どうして,どうして後もどり? −岡山の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
マリちゃん・・・内海和子


K-100と紋太は岡山県、鷲羽山の瀬戸内海の見える展望台にいた。
子供達に囲まれて写生されているケー100を置いて薪を拾っている紋太は、金欠の為ゴミ箱まであさっていると一人の女の子(マリちゃん)に声を掛けられる。
「K-100っておにいちゃんの?、K-100はそんなゴミばかり食べてるの?どこに行くの?」
と紋太を質問責めにするマリちゃん。北海道に行くと聞き
「倉敷を通るなら明日あたしの幼稚園によってね、みんなでK-100の写生をするの。来てくれるわね」
紋太が断り切れず困っているとK-100の汽笛が鳴った
するとマリちゃん「あ、K-100が返事した!みんなに言って置くわね」と決めつけて行ってしまった。

その翌日、バイトの為倉敷に入ったK-100と紋太は「手打ちそば・あずみ」という蕎麦屋でバイトをするも調理師の資格を持ってるのに宣伝の為K-100で配達専門という待遇に世の中きびしいとこぼしていた。
倉敷の時代劇の様な町並みを快調に走るK-100、だが突然K-100が動かなくなった。
バイトで稼いだらいい薪を入れるから、となだめるもちっとも動かない。
そこにノブちゃんから「配達専門なのはおかみさんの差し金なので早く倉敷を離れるように」と通信が入った。
しかしK-100はまだ動かない。K-100を降りて調べるがさっぱり解らないでいると節子がミス新幹線とK-100撮影会」というポスターを持ってやって来た。ぼちぼち金欠であろう紋太の為に撮影会の仕事を入れたというのだ。とりあえず暫くバイトしないでいいだけの金一封は出るという。
場所は岡山市後楽園、午後1時までに必着なのですぐ出発してと言われノブちゃんに「昼過ぎに岡山市の後楽園に行くのでおふくろを近づけんように」という通信を送るも「ノブ〜それは便利な機械じゃの〜」と全部嘉代に筒抜けだった。

そして後楽園にはミス新幹線とカメラマン、そして嘉代とノブちゃんが現れるがK-100はまだ到着していなかった。
その二人を見て嫌な予感に襲われる節子だった。

その頃倉敷を抜けて快調に走っているK-100だったが突然市街で動かなくなってしまう。
「金一封もらったらカロリーの高い薪を食べさせるからこれでガマンしてくれ」と荷台いっぱいに積んだダンボールをくべる紋太。
しかしK-100はUターンして倉敷を向いてしまった!
「なんで岡山に行くのが嫌なんじゃ?」と釜を見ると火も消えている!驚く間もなくK-100のタイヤが勝手にはずれてしまった!
たまたま通りかかったトラックのジャッキを借りて直し、引っ張っていってもらう事にするが逆に倉敷方面にトラックを引っ張り返すK-100にトラックの運転手は怒って行ってしまう。

そこに節子がタクシーでやって来る。間に合わないから急いでと無理に走らせるがバックしてしまうK-100。
「なぜか岡山に行きたがらないとです」という紋太に
「そんな機械が意思表示する訳ないじゃない」とあきれる節子。
「ところがK-100は自分の意志を持っとるとです」と軽く叩くと汽笛が鳴る。
ほらっと自慢気な紋太。
「そう言えば今まで何度もおかしな事があったわ、ひょっとして岡山で紋太くんのお母さんが待っているのを知っているのかも」
紋太はハっとして
「そうか、K-100お前は利口じゃの〜」とほめるが汽笛は鳴らない。
「あら、鳴らないじゃない」と節子。
「そういう事もある」という紋太だが
「やはり畜生のあさましさ、いや、機械のあさましさね」と相変わらず節子は口が悪くK-100に思いっきり汽笛を鳴らされてしまう。
とりあえず動かないならトラックに積んで運ぶと言う節子にお袋が待ってるなら岡山には行かない、という紋太だが節子は「逃げるのはどうとでもなるから」と聞く耳を持たなかった。

その頃後楽園ではK-100を待ちくたびれたカメラマン達のK-100ブーイングが起こっていた。
それを見かねて弁護に飛び出す嘉代、すると周りからK-100と紋太さんを応援する為にわざわざ鹿児島から出てきたと思われ後に引けなくなりノブちゃんのトランシーバーで「今日一日だけ見逃してあげるから早く来て」と懇願するのだった。

その通信を受けた時、K-100はトラックに積み終わろうとしてる所だった。それを見ている小さい男の子と女の子を見て紋太は鷲羽山で会ったマリちゃんの事を思い出した!「今日は倉敷の幼稚園で子供達がまってるんじゃ、だからK-100が倉敷に戻りたがるんじゃな」という紋太に節子は「まさか」あきれるがそれに答えるようにK-100の汽笛が鳴った!しかし今日は日曜だから幼稚園に子供がいる訳がないという節子。

しかしその時、マリちゃんと子供たちは幼稚園でK-100を待っていた。

待ってる訳無いからK-100は後楽園に運ぶと言う節子に紋太は訴える。

「それは大人の常識じゃ、子供の世界じゃ大人の常識は通用せんのじゃ、K-100も僕も子供の仲間じゃから子供の気持ちが分かるとですよ」

そして紋太は名前も知らないその子に謝るため、場所も知らない幼稚園を探しに節子の乗ってきたタクシーを借り、節子はトラックに乗って行ってしまう。その荷台からは悲しげなK-100の汽笛が響いていた。
K-100が泣いとる。あの子との約束を守れないと、K-100が泣いとる・・・」

そして倉敷中の幼稚園をしらみつぶしに捜す紋太は、やっとあの子のいる幼稚園を見つけた!
タクシーから降りて必死に謝る紋太。しかしマリちゃんは聞き入れない。そこに先生が間に入ってとりなすが「だってK-100を持って来ないじゃない!約束を破ったじゃない!」と聞き入れない。

次の日、瀬戸内海を見渡せる鷲羽山の駐車場にK-100と紋太さんはいた。そこにバスがやってきて中からはマリちゃんを筆頭に幼稚園の子供達が降りて来て一直線にK-100に群がっていく。
実は紋太は昨日の撮影会の金一封を全額つぎ込みバスをチャーターして子供達を招待したのだ!
そして子供達をかわるがわる乗せて走るK-100。その姿を陰で見ている嘉代とノブちゃん。
そして走るK-100を写真に収める節子。
「隆くんに送るんじゃからいい写真撮ってくれよ」と節子にウインクする紋太の顔がストップモーションになって
(つづく)


前回「内海和子」がオニャ○子の会員番号13番と同一人物か?と書きましたがなるほど似てると言えば似ています。しかし確信が・・・でもどこ見てもそう書かれているからそうなんでしょう。しかしこの子「レインボーマン」の15話にも出ているというので確認したら同じ髪型で出演していました。結構売れっ子だったみたいです。

さて今回K-100は自己主張が強く擬人化が顕著になってきました。紋太さんの中でK-100が自分の意志を持っているのは了解事項みたいです。
しかし今回節子に向かって紋太の言う「子供の常識と大人の常識は違う」というのはなかなか名台詞です、ちょっと感動しました。
私事ですがこの話で倉敷の時代劇の様な町並みに感激していつか行きたいと思い高校の修学旅行でやっと実現した時にはもう感無量でした。
撮影もこなれてきてこの話以降K-100が何をするかがポイントの様な話が続きます。
階段登り、釣り等本当に驚くくらいいろんな事をしてくれますのでお楽しみに!

(2002.5/26up)


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