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「おばけなんかはへいちゃらさ −青森の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田口 耕三

主なゲスト
イタコ・・・本間文子


青森県、青函連絡船乗り場で節子と嘉代、ノブちゃんはK-100が来るのを今か今かと待ちかまえていた。節子はK-100が青函連絡船に乗り込む写真を物にしようとしていたが、K-100は一向に現れる気配がなかった。

その頃K-100は裏をかいて下北方面は大間の海岸線を走っていた。そして本州最北端の地尻屋崎(しりやざき)尻屋崎灯台までやって来た。そこで九州に帰ってしまった隆への手紙を書いた後K-100は恐山へ。

その不気味な雰囲気にK-100はビビって急停車!「どうしたんじゃ!こんなに震えて」とガタガタ震えるK-100から飛び降りる紋太。そこに気色の悪いイタコのお婆さんが現れる。愛想よく近づく紋太だったが「お前らみたいな汚れた者はたちどころに亡者に取り憑かれるぞ!」と脅かされて、お払いの為にと全財産をまきあげられてしまう。慌ててその場を離れるK-100だがその姿にイタコの婆さんは不敵な笑みを浮かべて「機関車め」と毒づいていた。

そしてそこに嘉代とノブちゃんもやって来てまたまた先のイタコと遭遇。
嘉代はイタコにK-100の場所を占ってもらう事にする。
占い料と賽銭を巻き上げられる嘉代、するとイタコは「死人(しにびと)が怒ってるぞ〜」と呻いて去っていってしまった。そこに節子がやって来て「口寄せ」を信じてるなんて意外と古風だ、と言うが嘉代は昔狐火を見た事があると反論。
怖がるノブちゃんに付き合いきれずに節子はいなくなるが、ふと嘉代にはひらめくものがあった。

夜、紋太は宇曽利山湖(うそりやまこ)のほとりでキャンプをしていた。
食事の支度をしていたがおかずがなくなってしまい首をかしげる紋太。しかたなくスキッ腹を抱えて眠る事にするがK-100に誰か来たら起こしてくれるように頼むとK-100もそれに答えて汽笛を鳴らした。

その頃ノブちゃんは旅館で寝ていたが、怪しい人影に悲鳴を上げて飛び起きたがそれは能面をつけた嘉代だった。この作戦で紋太を脅して鹿児島に帰らせるつもりだという。ノブちゃんにもお面を付けさせようとするが「こんな猿みたいなお面はいやじゃ」と言うノブちゃんに嘉代はほこらしげに、このお面は津軽能のお面だとノブちゃんに説明。
「こんな姿を母ちゃんが見たら〜」
「ノブ!」
嫌がるノブちゃんに無理矢理お面を付けさせ、いざ出発!

そして嘉代とノブちゃんはお面をつけてK-100の所へ、それに気が付いたK-100は汽笛を鳴らして紋太さんを起こした!
「う〜ら〜め〜し〜や〜」と現れた2人に最初はビビる紋太だったがふとした事から2人の正体に気が付いた。
飛びかかって2人の面を取る紋太。「怖くなかったか?」と訪ねる嘉代に
「怖いよりお笑いじゃ!いい歳をして夕食を盗んだり、変なお面つけたり」
しかし嘉代は「ここには初めて来たんじゃ、夕食なんかしらん!」と言われて怪訝な顔。そこに変な笑い声が聞こえてみんなでその声の方を見ると、鬼の顔が闇に浮かんで卒倒した嘉代はそのまんま寝込んでしまう。

翌日、「現代っ子の紋太くんまで幽霊を信じるなんて、証拠に写真を撮らせて、K-100の幽霊退治と節子に言われすぐに「自分の仕事にK-100を利用することばかり考える」反論する紋太。
節子はこんな事に関わってないで早くここから抜け出そうと言うが紋太は「お袋をあの状態で放っておけない」と動かない。
あきらめて帰る節子は帰り際K-100に「君も幽霊を信じてるの?」と聞くと細く汽笛を鳴らしたK-100。
それを聞いてあきれて節子は行ってしまうがその直後、あのイタコのお婆さんが現れた。
「この機関車め、まだこの辺にいたのか」と近づいてくるがK-100に汽笛を鳴らされて驚いて逃げていった。

その汽笛は旅館で嘉代に「死ぬなら鹿児島で死にたいからつれて帰ってくれ」と懇願されていた紋太の耳に届き、急いで駆けつけると逃げていくイタコを目撃。その後を付けていくとそこは墓地だった。その墓の一つの前しゃがみ込むお婆さん。「一郎」とまるで人に話すように墓に話しかけ「あの機関車が気になるか?わしもじゃ、あの汽笛の音を聞くとわしはもう・・・」泣き崩れる。その姿を紋太は陰からじっと見つめていた。
近所の人に聞くとあのお婆さんはイタコではないらしい、そしてあの墓は5年前事故で死んだ一人息子の墓だという事だった。

その夜、紋太は節子に幽霊の写真を撮らせると言い呼び出した。
同じ頃、実は仮病の嘉代は、紋太がいないうちに食事をしておかないと紋太の前ではろくに食べられないから、とノブちゃんの給仕で食事をしていた。

夜も更けてちょっと心細くなる節子。そこに昨日の幽霊が現れる。怖がってK-100の後ろに隠れる節子。しかし紋太は「お婆ちゃん」と幽霊に声をかけた。ひるむ幽霊、かまわず近づきお面をはずす紋太。その顔はイタコのお婆さんだった。
「お婆ちゃん、何もかも聞いたよ。お婆さんの一人息子は、踏切で機関車に車をぶつけて亡くなったそうじゃな」
「一郎がぶつけたんじゃね!機関車が一郎の車に突っ込んで来たんだ!」
「じゃどん、踏切で一時停止をしなかったのは一郎くんのミスじゃ」
一郎は悪くねぇ、機関車が・・・と泣き崩れるお婆さん、それ以来機関車はもちろん汽笛の音を聞くのも嫌でK-100に嫌がらせをしたと告白。
「わしを警察に連れて行け」とまで言い出すがそれをなだめる紋太さん。
ふとK-100に近づくとK-100が汽笛を鳴らした。
「聞いたかお婆ちゃん、あれはK-100があやまっとるんじゃ」
顔を見合わせるお婆さんと紋太は黙ってうなずき合っていた。

翌朝、嘉代はノブちゃんからK-100が大間方面に出発したと聞き慌てて後を追う。フェリー乗り場で待ってる節子をつかまえて一緒に待ちかまえる事にする。しかし紋太は一路大間崎(おおまざき)へ。実は最初からフェリーを使わず津軽海峡をK-100で海越えするつもりでいたのだ。そしてその可能性に節子も嘉代もノブちゃんも気が付いた!

津軽海峡を前に決意を新たにしている紋太。
「なるほど、ここが本州最北端の地か・・・あっちは北海道じゃな」
そこに節子が飛んできて危険だと説得するが聞き入れない。
「僕は誰の手も借りずに、この津軽海峡を渡ってみせるんじゃ」
そうこうしているうちに嘉代とノブちゃんも走ってきた!
「こりゃいかん」
慌ててK-100に乗り込み波しぶきをあげて海に突っ込む紋太さん!その姿がストップモーションになり嘉代、節子、ノブちゃんの声が後を追う!
「紋太さ〜ん」

(つづく)


今回はついに本州最北端の地、青森県大間です。恐山にまつわる話がメインだったのは季節柄でしょうね。
尻屋崎、大間の海岸線を走るK-100の姿は軽快でかつ爽快です。中でもウミネコの群の間を走るK-100の格好良さ!やはりK-100はスチールでなく動いてる姿が圧倒的にいいですね。(ウミネコの画像載せたい・・・)
ラストシーンの津軽海峡に突っ込みストップモーションにかぶる「紋太さ〜ん」の声!これぞ引っ張りという感じのラストシーンです。
最近のドラマでこういうドキドキするような引っ張りはついぞ味わった事がありません。

ノブちゃんはノースリーブにホットパンツとなかなか夏向きのセクスイーないでたちで、一時期太ったと思っていましたが意外とそうでもないのかも。レギュラーのプロフィールコーナーを作ろうと思っているのですがノブちゃん役の秋元京子さんのプロフィールがどうにも分かりません。ケー100前後の情報をご存じの方がいらっしゃいましたらご一報を。

ところで前回記憶が正しければと書きましたが大分記憶と違っていました。後半3分はそのまんまでしたが、フェリーに乗るのを妨害され紋太さんは危険を冒してまで海越えするのか自分に問いかけ、おじいさんの為、隆くんの為でなく自分の為に北海道へ行かねばと決意。嘉代も反対して無理に危険な海越えをされるよりは、と妥協してそれを伝えようと紋太さんの前に来たのだが、それを勘違いして海に突っ込んで止め画!という話だと思いこんでいました。
(改めて書いてみると5話とイメージがダブっていますな、ひょっとしたら最終回近くとも混同しているかも知れません。しかし我ながらなかなかいいストーリーかと・・・でも青森県としての特色がないか)

九州を出たK-100の旅も最初のゴールはもう目の前です。次回いよいよ北海道に上陸です、お楽しみに!

(2002.9/1up)


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