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「 機関車ツボ焼き大繁盛!−能登の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田村 多津夫

主なゲスト
ヒロミ・・・西山 恵子
近所のおばさん・・・筒野 典子


K-100は石川県、能登半島の美しい海岸線を走っていた。
すると一台の車に追い越しをかけられあわやK-100は海に転落!
その乱暴な運転に怒った紋太は、事故を起こす前に説教せにゃとその車を追跡するが、K-100から逃げた車はサザエの壺焼きの屋台を壊して逃走。

その屋台の持ち主、ヒロミは車を追おうとするが、追ってきたK-100に引かれそうになり断念、紋太にくってかかる。
紋太も足を怪我してるヒロミに申し訳なく、散らばったサザエを拾おうとするが妙にかたくななヒロミに断られてしまう。
たまたまそこに居合わせた近所のおばさんによると、両親が出稼ぎの間、父親の借金返済の為に一人がんばってきた男勝りの性格らしい。

その夜、屋台が直るまでK-100と手伝わせて欲しいとヒロミに頼む紋太。K-100の釜から焼き芋を取り出し、サザエの壺焼きもうまく焼けると言うがヒロミは応じなかった。

しかし翌朝、何はともあれ仕入れだけはしておこうと輪島の朝市でサザエを購入しようとする紋太。すると後ろから「安くしてね」とヒロミの声が。
振り返り声をかけるがヒロミは行ってしまった。ともかくヒロミの友人と言う事でサザエを安く購入できた紋太は、K-100の所に行くとそこにはヒロミが待っていた。
紋太は頼りにならない顔してるからと一緒にK-100で鴨ヶ浦(かもがうら)に行き、K-100の釜で焼いたサザエの壺焼き(4個で200円、安!)を売る事に。

そこに現れるノブちゃん、紋太と一緒にいるヒロミに敵対心むき出しだったが、紋太から事情を聞き壺焼きを手伝う事に。
ノブちゃんとヒロミが張り合ったせいかK-100の壺焼きは大繁盛。しかしそんなK-100を遠くから見ながら電卓をはじく石橋正彦(いしばし まさひこ)の姿があった。
仕入れたサザエも全部さばき、意気揚々と帰る途中、ヒロミの怪我した足が痛み出しそのまま急いで病院へ行くことにする。
そのK-100の後ろを追いかける石橋。

翌朝、怪我で外に出られなくなったヒロミを置いて仕入れに出かける紋太とノブちゃん。勝ち気なヒロミは売り上げは折半と言うが紋太は最初から全額ヒロミに渡すつもりでいた。そんな紋太の人の良さにあきれるノブちゃん。

昨日に続いて海岸で壺焼きを売っていると「サザエの壺焼きなんか珍しくもない」と若者に言われなぜか若者の持っていたとうもろこしを焼いてみる事に。一瞬迷うもとうもろこしを入れてみるとババーンと音がして釜を開けてみるとなんととうもろこしはポップコーンに!
それを見てなにやら計算している石橋。

ヒロミさんが喜んでくれてると満足気な紋太に「そりゃ半分と言って全額渡してるんだから」と不満気なノブちゃん。おなかが空いたからサザエの壺焼きでも食べようとなごんでるところに「東京ケー100の愛好会」のメンバーと言って現れる石橋正彦!開口一番K-100を褒めちぎる。
「実に素晴らしい〜。なんと言おうか現代の機械文明に蝕まれた私たちがいつも、いつも求め続けたノスタルジアそのものなんですよ」

すっかりいい気分になった紋太は、石橋も交えてサザエの壺焼きをつまみながら話を聞く事に。
話の中身は、K-100を使ってサザエだけでなくホットドッグやピザ等を作って売れば儲かると言う話だった。
K-100をお金儲けの道具にする気はないと言う紋太さんに電卓をはじいてどれだけ儲かるかを説く石橋。
「K-100の性能を正当にお金に換えて評価してなぜいけない!」

翌朝、仕入れに出かける紋太の前に石橋が現れた。やはり昨日の話は断ると言う紋太だが、すでに石橋は材料を揃えて来ていた。
あきれる紋太だが、しょうがなかと出かけようとすると冒頭で屋台を壊した車が目の前を横切り早速追跡。
近道を通り先回りしてドライバーを海岸に追いつめて捕まえるK-100と紋太。
ドライバーはノブちゃんの連れてきた警官に連れて行かれるが、紋太は朝っぱらから張り切りすぎたのと旅の疲れが重なってめまいを起こしてしまった。
そこで紋太の代わりに石橋がK-100に乗って商売に行くことになる。

そしてK-100と石橋は輪島市町野町の上時国家(かみのくにときけ)の駐車場に。
早速K-100と記念撮影をしようとしたアベックから撮影料(モデル代800円)をせしめる石橋。その後K-100にけばけばしい飾りを付けてメニュウを張り付け、本当に移動スナックとしてしまった。
ピザが焼けたかチェックする石橋にK-100に反発。その為にヘッドライトに袋を被せてK-100は自由を奪われてしまう。

さて、その頃ノブちゃんと共に病院から出てきた紋太はK-100の帰りが遅いので不思議がっていた。
ひょっとしてK-100を持ち逃げされたのではないかと慌てて駆け出す紋太。
一方石橋は調子よくK-100で商売を続けていた。
「さ〜、K-100移動スナックで日本中を廻ってガバチョガバチョ儲けてやるぞ!」

そんな意気込みを抱えて店じまいした石橋は浜の近くで警官に呼び止められてしまう。
ヘッドライトに袋なんかかぶせてちゃいかんと言うのだ。
警官に逆らう訳にもいかず渋々袋をはずす振りをする石橋、なんとかはずさないでその場は切り抜けたが物陰からK-100を見つけた紋太はヘッドライトに被せられた袋を見て「やっぱりあいつ悪だくみを」と忍び寄り袋をはずしてしまう。

そんな事には気付かない石橋は
「ガバチョガバチョと出発進行!」
と調子よくK-100を出発させようとするが振り落とされてしまう。
そして紋太がK-100に飛び乗り出発させするがK-100はなぜかその場で反転。
「はは〜ん。ち〜とばかし懲らしめてやろうというんじゃな」
とピンと来た紋太さん。
景気良く汽笛を鳴らして石橋を追いかけ回すケー100。そして力つきた石橋に飛びかかり売り上げを取り上げる紋太さん。
その額にビックリ!
「これだけあれば屋台が直せる」
とK-100に乗って去っていく紋太さん。石橋にはそれを追いかける余力がなかった。

ヒロミの怪我もよくなり「屋台が直る前に行くけど、これはK-100から」と紙包みをヒロミに渡して出発する紋太。
「K-100からのプレゼントってなんだろう?」とヒロミが家に入って包みを開けてみると中からは封筒に入ったお金が!
思わず家から飛び出しK-100の去った方へお礼を言うヒロミ。
「ありがとう、紋太さん」

そのお礼の言葉が届いたかどうかK-100と紋太は海岸線を沖縄に向かって走って行く。
そこにK-100の汽笛が勢いよく響き渡って
(つづく)


今回から後半のレギュラー、K-100を追いかけ回してあの手この手で一儲けを企む男、石橋正彦(演・杜沢 泰文氏の登場です。
しかし知ってるからこいつがそうかと思いますけども。何も知らなかったらどうみても今回限りのゲストですよね。
(ガバチョガバチョと言う台詞が70年代まるだしでいいですね〜)

今回はK-100と子供は絡まなかったもののテンポのいい快作に仕上がっています。
K-100も記憶通りとうもろこしを焼かされてポップコーンを作りました!
しかし勝ち気で素直じゃないヒロミ、なんか良かったです。ちょっと節子を思い出しました。
そしてヒロミに対抗するノブちゃん、紋太と病院から出てくる所は芝居自体がもう恋人か夫婦のそれです!
今回は妙に女性陣の芝居に艶があったような気がしますが気のせいでしょうか?

そんな女性陣の振り切るような紋太の去り方も日活アクションのようでかっこいい!
(日活だったら走っていくK-100にヒロミの「ありがとう〜」がかぶりもんたさんが主題歌を歌う所ですよね)

しかし海綺麗ですね〜。
日本海編に入ってからその海の綺麗さに毎回惚れ惚れしています。なんと言ってもうちの最寄りの海はあの「江ノ島」ですから・・・
そう言えば劇中サザエの壺焼きを4個200円で売っていましたが今の相場で考えると安すぎです。
今の江ノ島なら千円近くはする所です。(江ノ島だからかな?ちょっといくらか確認してみますが)

ヒロミ役の西山恵子さんですが彼女は『必殺仕掛人』の第1話から第3話にかけて、「お初」という役で出演しています(親父さんが極悪金貸しに引っ掛かり、法外な借金を抱えてしまうのですが、音羽屋に救われる)。『必殺仕置人』第21話の「お咲」役も印象的です。『帰ってきたウルトラマン』第13話&14話には、高村船長の娘=陽子役で出演。あの有名な「シーモンスの歌」も彼女のボーカルです(^^)。内藤洋子版・島田陽子版の隠れてしまいがちですが、71年版『氷点』(TBS)で堂々ヒロインを演じています。(この情報は関屋様から頂きました)

杜沢 泰文(とざわ たいぶん)氏に関しましてはゲストでないので放映リストの方に追加しプロフィールは追って掲載します。

次回金沢編ではK-100が釜で焼き物を焼かされます。お楽しみに!

(2002.11/30up)


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