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「しぶきをあびて突破せよ −北九州の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田村 多津夫

主なゲスト
ポンポン船の船長・・・梅津栄


病院を退院した隆は海を見ながら「紋太さんはどこまで行ったろ・・・」と地図を手に想いをはせていた。その視線の先は・・・北九州!
「スクラップになっていたK-100を、最初の運転手である北海道のおじいさんに届けたいという隆少年の願いを受けて、その身代わりになって鹿児島を発った紋太くん。とにかく北九州まではたどりついた。さて今週は、関門海峡突破の巻。海の底には車の走れる関門国道トンネルがあるのだが、なにしろ煙モクモクのK-100号。はたして、通る事ができるのやら?・・・」

若戸大橋を前に気合いを入れる紋太さん。意気揚々と橋を越えて小倉城で一休み。
と、そこに2人の少年が自転車で通りかかりK-100を馬鹿にした発言をする。聞き捨てならないと少年達と競争する事になる紋太さん。結果ケー100が勝つのだがこれはK-100の迫力ある疾走写真を撮りたいと節子のしくんだ事だった。

そんなこんなで門司についた紋太。港から本州への想いをはせてるとトランシーバーにノブちゃんから通信が入る。
今おかみさんと関門国道トンネルの入り口で見張っているのでしばらく待機してくれとの事で、紋太は又しても昼寝を始める。
そこに少年が一人現れK-100を触っていると汽笛が鳴り紋太が目を覚ました。
そこで紋太は少年を運転台に乗せてやりながら家族の事を聞くと、父親はポンポン船の船長だがめっきり仕事が減り港からポンポン船が無くなるかもしれないという事を聞く。
そして汽笛を鳴らしているとその汽笛が嘉代の耳に入った!
機転を利かせたノブちゃんは「あっちから聞こえた」と嘉代を連れて行き紋太さんに今がチャンスと連絡する。

そして嘉代とノブちゃんは国鉄・門司港駅前に居た。やはり関門国道トンネルを見張っているのが確実と戻ろうとするがなんと目の前にK-100の姿が!
紋太はK-100が関門国道トンネルを通るのを「車道は車が走るもので汽車の走る所ではない」という理由で断られたので国鉄の関門トンネルを通りたいとお願いしていたのだ。「これは車でしょ」断られても食い下がる紋太。レールの上を走れればと駅員達の前で挑戦するも所詮タイヤでレールの上を走れるはずもなく失敗!思わず飛び出そうとするノブちゃんを止める嘉代は「もう紋太はどげんな事してもこの九州から出ていけん」と満足気だだった。

そして紋太は建設中関門橋を通りたいと工事の人に頼むが「工事中の橋を通す訳にはいかん」と断られ「資材を運ぶので工事車扱いでなんとか」と近くの資材を運ぼうとするが重くてピクリとも動かなかった。

そして途方にくれてる紋太の所に先ほどの自転車少年2人と節子が現れる。そこにポンポン船の少年も現れ、父ちゃんに頼んでポンポン船で海峡を渡ろうという事になるが親父は定食屋で昼間から酒びたりだった。
必死に頼む紋太と節子に
「昔は港の花形だったのに・・・もうあの船には何も載せない、わしも船を降りる、なにもかもおしまいじゃ・・・」
とにべもない。

たちまち生来の気の弱さがが顔を出し「やはり無理だったんじゃ・・・」と弱気になる紋太。そこで自転車少年がイカダを作る事を提案!しかし紋太一人も乗っていられない失敗作だった。紋太が服を乾かしてる間に節子達はもう一度国道トンネルの事務所に頼んでみるというがやはりダメで戻ってくると紋太の姿は無くなっていた。

その頃、紋太は港で船長とやりあっていた。さっきまで弱気だった自分を棚に上げ船長を「男じゃなか!」と罵倒する紋太。
紋太「ポンポン船と消えてくなんて格好良いこと言ってるが所詮女学生のセンチメンタルリズムじゃなか!
「お前なんかにわかってたまるか!」
と、とっくみあいになる2人。そして2人疲れて一段落ついた時、船長は船に向かって言った。
「久しぶりにこいつにいい仕事させてやるか」

そこに現れる節子達、船長がK-100の重さを聞くと紋太「5トンです」
船長「そんなに重量があるのか・・・」
紋太「えぇ、これ機関車ですから
しかしこの船では4トンまでが限界だという、悩む一同。
その時自転車少年が「紋太さん、悩む事ないですよ」と突然K-100を分解し始める!

とりあえずタイヤ煙突等をはずして乗せたリヤカーを自転車で引っ張り「紋太さん、下関で待ってますよ」と出発する少年達。
まだ重そうだと紋太は正面の釜の蓋をはずし担いで関門トンネルを歩いて行く事にするが、はずした途端その重さに倒れる紋太。
手伝うという節子に女の手を借りないと意地を張る紋太(いよ、薩摩隼人!)

海上を渡るK-100の車体、トンネルの歩道をリヤカーを引いて走る自転車、釜の蓋を担いで息絶え絶えに歩いている紋太、(バックに流れる主題歌のカラオケが盛り上げる!)そしてヘトヘトになりながらついに紋太は九州山口の県境を越えた!
そして息も絶え絶えに下関に上陸する紋太。

その頃みんなは港でK-100を組み立てていた、そこにヨレヨレの紋太が現れ、みんなの応援に励まされてK-100にたどり着く。
そして旅立ちの時、紋太さんと船長は熱い男の友情で手を取り合っていた。
節子は「これこれ、これ撮らなくっちゃ」とパチリ。

その頃門司には、余裕で食事をしている嘉代がノブちゃんといた。
そこにノブちゃんのトランシーバーにK-100本州上陸の報が入りそれを聞いた嘉代は愕然!

そしてみんなに別れ告げて下関を疾走するK-100、その勇姿と紋太の笑顔がストップモーションになって
(つづく)


今回の関門海峡突破編はとりあえずあれこれ言う前に面白い!傑作です
冒頭、野沢那智氏のナレーションも「チキチキマシン」ばりで、文章でその名調子を再現できないのがはがゆいです!
しかし船長の息子ですがなぜか登場した時から中盤までず〜っと鼻の下や口周りがすすけた指でなすったように汚れています。
何でなんでしょう、落とせなかったんでしょうか?

個人的には関門トンネルのせいで船の仕事が無くなったという設定だったと思っていましたが劇中そんな台詞はありませんでした。この時代、そういう事は了解事項だったのか勝手に思いこんでただけなのか?しかし建設中の関門橋と言いやはりTVは同時代性というのが重要ですのでオリジナルの放送年月日(可能であれば撮影日)を放送前にテロップで出すとかして欲しいですね。DVDになったらメニュー画面に絶対掲載すべきだと思います。
その時代の日本各地の映像が残っているという事がケー100という番組の一つの価値でもあるのですから。

さて今回その同時代性という意味で当時の新聞から再放送履歴(関東圏)を調べた雑学コーナーもアップさせました。話の種にはなると思います。

次回からK-100は本州を走ります。お楽しみに!

(2002.5/5up)


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