第9話 
      「煙モクモクなんだ坂,こんな坂 −兵庫の巻−」
 
      監督:枝川 弘 
      脚本:才賀 明
      主なゲスト 
ケンイチ・・・染谷利貴 
ケンイチの母(ふみえ)・・・森秋子 
 
今日も隆は自分の部屋でK-100がどの辺まで行ったのかを案じていた・・・ 
 
      その頃K-100は兵庫県の牛が放牧されている(?)川沿いの土手の上を節子を乗せて走っていた。 
      せっかくだから姫路城をバックにK-100を撮りたいと言う節子を断り切れずに、姫路城に向かう事になるK-100。 
 
      そして姫路城で節子の姫路城に対するうんちくを聞いていると突然K-100の叫び声にも似た汽笛の音が聞こえた! 
「K-100が僕を呼んどる!」 
      と駆けつけるとそこには数人の男達がK-100の部品を盗んでいる真っ最中だった。 
      慌てて追っ払う紋太「なんだったの?」と訊ねる節子に 
「記念品泥棒ですたい、最近有名になったもんじゃからみんながK-100の部品を欲しがるとです」 
      子供ばかりでなく大人までもがそうだと話していると、突然K-100から子供(ケンイチ)が飛び出し「まだいたのか!」と追いかけてねじ伏せる紋太! 
      しかしケンイチはK-100の中で遊んでいただけで泥棒とは無関係だった。ところがケンイチのオモチャの光線銃が壊れてしまい弁償する事になってしまった。 
 
オモチャ屋で一回り大きい宇宙銃をせしめたケンイチは自宅である「御菓子司 伊勢屋本店」に駆け込むとその銃を母親(ふみえ)に見とがめられてしまう。実は絵を描く為にフラっと家を出た父親に勝手に会って買ってもらったと思ったのだ。 
 
      その頃紋太はK-100を浜辺で修理をしていた。 
「今日は金をつかうし、エンコはするしついとらん」と言ってると節子が「お詫びに今日の夕飯はおごってあげる」と言うが 
「女に助けてもらったとあっちゃ、伊賀山紋太の男がすたる」と断る紋太に節子は 
「さんざんあたしやノブちゃんに助けてもらってるくせに」 
 
      とそこにケンイチとふみえが宇宙銃を返しにやって来た! 
オモチャを返す返さないで口論になりその中で 
「いい年してオモチャの機関車なんか乗り回して」とまで言われ、さすがの紋太も怒って 
      「ケー100を北海道まで運んでるんで遊んでるんじゃない!」とおじいさんや隆の事を話すが勝手に汽笛を鳴らすK-100に怯えたふみえは 
「ほんまにキチガイですよ。あんさんも、その北海道にいるおじいさんも、その機関車も」と言われさすがに切れた紋太。 
      「他の事はともかくこのK-100の悪口は許せんですよ!帰って下さい!」と行こうとするとそこに 
「紋太〜」と嘉代とノブちゃんが現れる! 
      「お母さん!」と慌てて節子の後ろに隠れる紋太。 
      しかし嘉代は「うちの息子をキチガイ呼ばわりは許さん!」とふみえを一喝! 
      そこでふみえも「この親にしてこの子あり、あんたのような親だからいい年してこんな大きなオモチャを作って遊んでるできそこないの息子が生まれるんですよ」 
      この一言に嘉代も切れた! 
       
      いつも持ち歩いている日傘をノブちゃんに預け、母親同士の対決が今まさに始まらんとしている所に節子が写真撮影で乱入! 
      週刊誌に載るかもと言われて慌てて体裁を繕っていると突然K-100が走り出した! 
      その運転台にはケンイチの姿が! 
      慌てて後を追い飛び乗る紋太、しかしなぜかK-100を止められない。 
      その後ろには引き離されるみんなの姿が。 
 
      そしてK-100は姫路から神戸の手前の須磨浦公園まで来てやっと止まった。 
      おりからの雨とこんな遠くまで来てしまったとボヤく紋太にケンイチは「おとうちゃんが神戸に住んでるので丁度いいから会いにいく」と明るい顔。ケンイチの父親は仕事より絵を描くのが好きでフラっといなくなるのが常らしい。お母ちゃんは怖いけれど父親は好きというケンイチに、跡取り息子という立場も同じなので急速に仲良くなるケンイチと紋太さんだった。 
      そしてお父ちゃんに会いに行かしてというケンイチを又しても気の弱い紋太は断る事ができなかた。 
 
そして神戸に入ったK-100は湊川神社の前を走り抜け波止場で絵を描いてるはずというケンイチの情報通りに波止場に向かうが姿が見えない。 
      港で働いてる人に尋ねてみると六甲山で絵を描いていると言われ、ケンイチは行く気満々だが紋太は 
      「あんな山の上まで無理じゃ」と言うも「紋太さんは僕を見捨てるんだね」と言われ「男は辛か〜」と結局出発した所にふみえと嘉代、ノブちゃんがやって来て慌てて逃げ出すK-100! 
 
      その頃節子は編集部に連絡を入れて「神戸にいるならついでに淡路島に行って人形浄瑠璃撮ってこい』と言われて断ってる後ろをケー100が走り抜けた! 
      そこでレンタカーを借りて追う事にする節子とタクシーで追う嘉代達。そのタクシーの中では運転手に「K-100を追う?」と言われて「タイヤの付いてる機関車じゃ!」と嘉代が力説していた。 
      しかしその頃K-100は六甲山登山口から山を登り始めていた。 
タクシーに乗った嘉代達は節子を見つけ節子尾行する事にするがそれに気づいた節子にあっさりまかれてしまう。 
 
      「なんだ坂、こんな坂」言いながらK-100は「六甲山牧場」に到着する。そこでケンイチは父親と再会するが節子が来て「すぐにお母さん達が来るわよ」と言われ逃げにかかるも時すでに遅く見つかってしまう。 
      その勢いに思わず固まるケンイチ、ケンイチの父親、そして紋太。 
      そしてケンイチを必死に連れ戻そうとするふみえの姿に顔をしかめる嘉代に「誰かに似てませんか?」と言う紋太。 
力づくでも連れて帰るという母親に 
      「お父ちゃんと一緒じゃないと帰らへん!」とケンイチ。父親も 
「わしもお前が帰ってきて下さいと頭を下げるまで帰らん」 
そしてみんなに促され結局ふみえは父親に「ケンイチと二人で帰ってきて下さい」と頭を下げた。 
      笑い会う紋太と節子、うなずく嘉代、その脇でノブちゃんは泣いていた。 
 
そしてケンイチ一家は揃ってロープウエイで帰っていた。 
そのゴンドラに向かって手を振る紋太、嘉代、ノブちゃん。 
      紋太はこれで嘉代も自分の生き方が解ってくれたのか、と聞いてみるが「やはり親子は一緒にいるのが一番じゃ」と捕まりそうになるがそこに走っていくK-100の姿が!慌ててみんなを置いて追いかける紋太。 
      すると運転台には節子の姿が! 
      「紋太くん、早く早く!」と促されK-100に飛び乗る紋太の姿がストップモーションになって 
(つづく) 
 
今回のK-100はレギュラー達が珍しく全体に渡って登場して若干雰囲気の違う一編でした。特に今回の節子は妙に優しく紋太といい感じで、まるで恋人同士のようです。(脚本初参加の才賀明氏の趣味でしょうか?) 
      ところで冒頭の牛のいる河原ってどこなんだろ?と思ってみたりK-100の部品が盗まれるというくだりはなんだか実話っぽいのですが。 
ちなみに「御菓子司 伊勢屋本店」今も存在する姫路では老舗中の老舗のようです。やはりロケ地マップを作ろうかな? 
 
      K-100の車体的にも綺麗で又違うK-100なのかな?と思わせてくれます。そういえばナレーションも6話以降入らなくなってしまいました。 
たしか又入るようになるとは思うんですけれども、う〜んうろ覚え・・・ 
しかし尾行に気づいた節子が「まいちゃおう」と言ってあっさりまいてしまう所はさすがキイハンターと言う所でしょうか。(笑 
 
      さて次回は毎回冒頭にワンシーンしか出てこない隆が久しぶりに登場します、お楽しみに! 
(2002.6/2up) 
 
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