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「お百度まいりの石段登れ! −京都・滋賀の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田口 耕三

主なゲスト
舞妓さん・・・児島美ゆき


K-100は京都に入り薬師寺の脇を走り抜け順調に祇園の裏通りを走っていた。

そこで休憩の為K-100を止める紋太はお茶でも飲むか、とケー100の脇の金管からお湯をコップに入れていると舞妓さんが通りかかり驚いて話し掛けてくる。
感心されていい気分の紋太がK-100の自慢をすると「そやけど、うちらみたいに踊れへんやろ」
と言われるが紋太は、
「坂道下っとる時はゴーゴーっちゅう感じじゃし、水の上滑る時は、そうじゃな、サーフィンってとこじゃ」
そして紋太が九州から来たと聞いた舞妓さん、出発するという紋太にせがんでK-100に乗せてもらう事にする。

舞妓さんのガイドで清水寺八坂神社平安神宮と廻っていると平安神宮でノブちゃんに出くわし慌てて逃げ出す紋太。
しかし比叡山でノブちゃんに追いつかれ慌ててUターンするK-100は、そのまま一気に琵琶湖まで突っ走った!
近江八景のひとつ浮き御堂を案内して紋太だが、琵琶湖にもすでにノブちゃんが来ていた!
又しても慌てて逃げ出す紋太がK-100に舞妓さんを抱っこして乗せる姿を見て、急いで駆け出すノブちゃんだったがK-100に振り切られてしまった。

そんなこんなで琵琶湖のほとりでK-100を降りて談笑している紋太と舞妓さん。
「舞妓いうたら人は特別な目で見ますけど普通の女の子や、掃除洗濯なんでもやります」
と舞妓さんが紋太の上着を洗濯すると言いだし脱がされて琵琶湖で洗濯を始める舞妓さん。
そしてK-100の煙突と木の間にロープを張って干していると、K-100が汽笛を鳴らし驚く舞妓さんに紋太は、
「K-100がお礼を言うとるんじゃよ」

すると近くで食事中のキャンプをしている若者のグループが目に入り、丁度食事時なので飯ごうと米を分けて貰って食事の支度始める舞妓さん。
炊きあがりを待つ間、母も元舞妓で小さい頃から歌や踊りの稽古に忙しくてこういうキャンプにあこがれていたのだと言う。
米が炊きあがりその炊きたての米の食事に感激している紋太。
「でも、紋太さんは偉ろうおすなぁ。初めは阿呆な事やと思うとったけど、こうして旅をして行くって、とっても素晴らしい事やと思うわ。うちなんぞ修学旅行で一度東京に行った事があるっきり。狭い狭い京都の町から、一歩でも外に出た事がないんや。結局夢がないんどすなぁ・・・
と言う舞妓さんに紋太は
「そんな事はなか!君には踊りっちゅう誰にも負けんもんがあるじゃなか!」
と、先ほど米を分けてくれたグループが歌い踊り出したので一緒になって踊っているとそれを木陰からジリジリしながら見ているノブちゃん。
そこに節子も現れ、舞妓を乗せて走るK-100は絵になるからと喜んでいるがノブちゃんは舞妓自体が問題とそれどころではない。
そして紋太と舞妓さんがK-100の所に戻って来ると舞妓さんの干した洗濯物をノブちゃんはずして「洗濯の見本ば見せてあげる」と持っていくのを追いかけて舞妓さんはK-100につまずきなんと足首を骨折して入院してしまう。

病院で紋太は舞妓さんに付きっきり。お母さんに連絡しないとと言う紋太に、怒られると嫌がる舞妓さん。その病室の外では一週間は入院しなくてはいけないとノブちゃんから聞かされた節子が「こんな事で一週間も足止めくらっちゃたまらない」と身内に連絡して来て貰おうと花街に問い合わせてしまっていた。

そしてやって来た舞妓のお母さんに紋太は弁解の余地も与えられずに一方的にまくし立てられる。
実は彼女はあさっての温習会(おんしゅうかい)で踊りを披露する事になっていたのだ!
娘が踊れない代わりにK-100を預けろと言い出すお母さん。
抵抗するが運転台に封印のお札を貼られてしまい、こんな物と剥がそうとするノブちゃんを止めて一人悩む紋太だった。

次の日、病室で舞妓さんはお母さんにK-100を許して欲しいと頼んでいた。
しかし「今時の若いもんはとっくに逃げてる頃だ」と聞く耳を持たれず今から願掛けにお百度しに行くからと病室を出ていってしまった。
そこでお母さんを待ってる紋太に出くわすがけんもほろろ。お百度踏んでる最中も付いてくる紋太に業を煮やしたお母さんは
「私の機嫌とって許して貰おうと思っても無駄ですわ!」と一喝。
「僕もK-100も、すまないという気持ちで一杯なんです!」
その言葉にお母さんは
「心を持ったおもちゃがすまん言うて泣いてまんのか、じゃ、その証拠見せて貰いまひょか」
とK-100にお百度を踏む事を要求。
石段を見上げて躊躇する紋太だが、それを陰で聞いていた節子が「K-100にお百度か・・・グッドアイディアだわ」と紋太をけしかける。節子に
「できないならあのおばさんの言った通り点稼ぎだったのね」と言われて紋太はK-100に、
「頼む!」
と言うと汽笛一発、お百度を開始!

ガッシュ!ガッシュ!と石段を登り始めるK-100、その姿を写真に収める節子。
石段の上ではお母さんが驚いてなりゆきを見ていた。
一回、二回と石段を往復するK-100。まるで馬の嘶きのような汽笛を上げて登ってくるその姿に、さすがのお母さんの気持ちもほぐれた!
K-100に駆け寄って紋太に謝るお母さん「娘の事は気にしないではよ北海道へ行きなされ」
そしてK-100は病院の庭から舞妓さんに挨拶をして旅立っていった。
その姿に「さようなら〜」と手を振る舞妓さん。

琵琶湖のほとりを走るK-100、運転席の紋太のアップがストップモーションになって
(つづく)


今回は舞妓さんとお母さんの固有名詞が特定できなかった為に意味無く文章が煩雑になってます。
舞妓さんは劇中ハナチョウかハマチョウと呼ばれますがどのみち漢字もわかりませんでした。

温習会ですが調べてみますに”芸舞妓さんがつみ重ねてきた技芸の精進のあとを披露する秋恒例の行事”と有り、秋に行われるのが恒例らしいので今回の放送は本放送時と放映時期が狂っていないのになんとなく時期はずれ?

内容ですが前半は節子が劇中でも言う通りさしずめ「K-100と舞妓さん、2人京都ブラり旅」って感じで観光色丸出しですが観光名所だらけの京都ですから効率よく番組内で紹介するにはいい手だったと思います。
(なんてったってK-100のスピードで京都から一気に滋賀まで行っちゃうんですから!)
後半最大の見せ場はK-100のお百度です。昔は凄いと思っていただけでしたが、今の目で見ると危なっかしくってドキドキ物の撮影です。
そう言えばK-100がお百度踏んだ神社もちょっと特定できませんでした。ご存じの方ご連絡を。

「最終回にほえろ3」の中の青野監督のインタビューに「石段登るK-100を支えるスタッフの手が見える」と書いてあったので意地悪くそこを重点的に見てたら本当に写っていました。あえてどことは書きませんので気になる方は自分で見つけてみてください。
その他にもマイクの影が思いっきり壁に写ってたりもします。やはり全編ロケ(しかも移動しっぱなし)というのはかなりキツかった現場だったのではと忍ばれます。(本当はこんな事気にして見ちゃいけないんですけどね、自分が自主映画とかも作っていますので視点が・・・)

個人的には琵琶湖湖半の舞妓さんの台詞にグっときましたが、なんとなくストーリー上流されてしまったようで残念でした。
ま、でもあの台詞を掘り下げると話が重くなっちゃいますから「走れ!ケー100」としてはこんな感じでいいとは思います。

さて次回はK-100が長良川で鵜飼いをやります。お楽しみに!

(2002.6/16up)


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