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「おかしなおかしな鵜飼い −岐阜の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田村 多津夫

主なゲスト
マリア・・・サリー・ウオーカー


K-100と紋太は今金生山(きんしょうざん)を登っていた。どうやら紋太は道を間違えて山に入り込んでしまったようだ。
燃料切れでグズるK-100をなだめつつ一軒家から雑誌をもらってくるがやはり紙では力が出ない。
紋太はこぼす「みんな電気とガスじゃもんな、この頃は」

なんとか「明星輪寺」というお寺にたどり着き紋太は薪をわけてもらう。そこで小坊主さんからも応援されて去ろうとすると足を痛そうにしている外国人の女性(マリア)がやって来る。どうやら昨日からまる一日座禅を組んでいたらしい。

そして冒頭、煙も出ていなかったK-100は、薪のおかげで勢いよく黒い煙と汽笛を鳴らして金生山を下っていたが突然急停車!どうしたのかと観てみると、紋太は道に座り込んでいるマリアを見つける。降りて声を掛けると「oh、足が痛〜い」という事でK-100に乗せて町まで送る事にする。

道々紋太はマリアが日本の事を勉強している事に感心する。そして約束があるので急いでと言うマリアに「OK!」と軽快に答える紋太だった。
そしてK-100は大垣城の脇を走り抜けるが、K-100を待っていて声を掛けた節子には気づかず行ってしまった。

そんなこんなで岐阜市に入ったK-100。立派な家の前で止めてマリアを降ろして行こうとするがなぜかK-100は動かない。
「そうか、お前もそうか。ちょっとあの娘がが気になるもんな」
と紋太はK-100を降りて覗きに行く事にする。
するとそこは鵜飼いの鵜匠の家で、その家の娘(アヤコ)とマリアが本当に座禅を一日していたのかでもめている所に首を突っ込む紋太。

ガックリと長良川のほとりに座り込むマリアをなぐさめる紋太。
話を聞くと、この長良川で鵜飼いを観てその衣装や篝火に感動して自分も鵜飼いをやりたいと、先の鵜匠である杉山さんにお願いしたがその条件が一日座禅だったというのだ。そしてマリアは紋太さんが話をしようかというのを断り「できるだけ自分でやる」と鵜匠の家に向かい頭を下げるマリア、それを物陰から見守る紋太だった。

その頃節子はK-100を見失って悩んでいた。ひょっとしてもう愛知に?でもK-100がそんなに速いはずないし、でも女の子乗せて張り切ってたからきっとそうだと思った所にノブちゃんがやって来た。名古屋中を捜したがK-100がいないのでおかみさんの命令で岐阜に戻ってきたと聞かされた節子は「まだ岐阜にいるんだ」とタクシーをつかまえてノブちゃんを置いて行ってしまう。追いかけようとして転ぶしノブちゃん、しかし
「岐阜にはまだ見物する所があるからいいいわ」
おかみさんがいないととことん観光モードのノブちゃんだった。

その頃マリアと紋太は鵜匠の家であれこれやってみるが、いい返事をもらえずに又長良川のほとりにいた。
「そりゃぁマリアさんの気持ちはよく分かる。なんでも観てやろう、なんでもしてやろう。それは素晴らしい事じゃ。若者の特権じゃ。僕も若い、僕もそう思っている。最初は頼まれて引き受けたK-100じゃったけど、今はK-100と一緒に旅をする事、それだけで楽しいんじゃ。色々な物が観られるし、色々な事に出会って、色々な事を教わるしなぁ」
鵜を使いこなすには時間がかかると説得するもどうにも納得しないマリア、そこに節子がやって来て事情を聞き「K-100で鵜飼いをしましょう」と言う事になり年老いた人慣れしている鵜を一羽、鵜匠の所から無断で借りてくる紋太達だった。
しかしその現場をアヤコに見られたがアヤコは鵜飼いの指導を申し出る。

そして長良川での鵜飼いの特訓が始まった。
鵜飼いの半纏と腰蓑を付けるマリア。すると鵜がケガをしてしまうがその辺の草をすりつけるアヤコ
「鵜にはこれが一番いいの」
今度はマリアも転んでケガをしてしまうが「鵜と同じがいい」と同じ草を傷になするマリア。そんなマリアを鵜匠の杉山さんは陰から見ていた。
そしていよいよK-100で水上に出て鵜飼いを始めるマリア、その姿を写真に収めている節子!そのマリアの姿にうなずく杉山さん。

夜、多くの篝火が焚かれる中、長良川では盛大な鵜飼いが催されていた。そしてその船の上にはマリアの姿もあった。
その姿を屋形船から喜んで見ているアヤコ、ノブちゃん、そして写真を撮ってる節子。
そしてそれを見届けたK-100と紋太は出発する事にする。
「マリアさんの望みは叶った。しかし僕たちはまだまだこれからじゃな、北海道までは遠いもんな〜。さぁ、K-100行こうか!出発進行!
その言葉に答えるように汽笛を鳴らすK-100!
その音はノブちゃんの耳に届き慌てたノブちゃんは川に落ちてしまった。

夜の長良川沿いの土手をライトを点けて走るK-100、その姿がストップモーションになって
(つづく)


さて今回は季節ネタ。長良川の鵜飼いです。
前回もチラっと書きましたが今回の放送は本放送時との狂いが無いためその土地土地の風物詩がリアルタイムで楽しめます!
これは素晴らしい事だと思います。丁度新聞で鵜飼いが始まったと記事を読んだと思ったらTVの中のK-100が鵜飼いをするのですからこの一体感はたまりません!(特に本放送時はもっとお茶の間とTVの間の壁が無かった時代だったのですからもっとたまらなかったろうと忍ばれます)
しかし本当に1K-00で鵜飼いをやろうものならうるさくて魚逃げちゃうでしょうけどね。

鵜匠の杉山さんというのは岐阜県の鵜匠頭をつとめる歴史ある家です。


今回のエピソードの紋太の台詞は明らかに前回からの感情を引きずっています。前回の感想で舞妓さんの台詞に突っ込み足りないと書きましたが今回の紋太さんの台詞がそれを引き継いでいるようです。その時のエピソード内で感情は完結するのではなく又新しい出会いがあって前回の出会いが生きてくるというのは実際の人の出会いもそうなのではないかと思わせてくれますね。(ま、これは考えすぎとは思いますがね)

しかし今回の放送でそういう気持ちになれたのは昔見てた記憶も遠く、まるで初めて見るような感覚で見れている為で、これで全部見終わってビデオで見直しても同じ気持ちでは見れないと思いました。
そういう意味では毎回のエピソードを見た後にストーリーとちょっとした感想を書いておくという事が自分にとって大事な作業に思えてきました。


ちなみに今回劇中でマリアが喋った英語ですがC62hikaruさんが聞き取りしてくれた所ー
Why can't he keep his promise?
なぜ彼は自分の約束を守れないのか?

I kept my promise. I did everything he told me.
私は私の約束を守った。私は彼の言ったことを全てやった
との事です。(2007.11/19)

さて放送も1クールを迎えるにあたり紋太さんにも気合いが入ってきたようなラストもどこまでも前向きで良かったです。
それにしても「みんな電気とガスじゃもんな、この頃は」という台詞にまだリアリティーがあった時代なんですね、そういえばこの頃は一般家庭に電話も普及していなかったような記憶も・・・そんなこんなで次回のケー100は愛知県に入ります。
お楽しみに!

(2002.6/23up)


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