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「ニセモノ紋太富士を行く −静岡の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
コヤマハチロウ・・・福島資剛
花鳥山脈の支配人・・・細川俊夫


K-100は紋太と節子を乗せて富士山を横目に走っていたが、突然K-100が富士山の方向へ方向転換。
節子から東京に行くには遠回りと言われるが紋太、
「富士山に登りたいのか?K-100」
それに答えて汽笛を鳴らすK-100!
K-100が富士山に登りたいのは鹿児島出身の自分としては良く解る、という事でこのまま富士山方面へ進むK-100だった。

そしてK-100は浅間神社(せんげんじんじゃ)に到着。
ここで節子は大沢崩れの取材があると紋太と別れるが、同じ時に嘉代とノブちゃんが浅間神社でお参りをしていた。
嘉代はK-100が故障して紋太の旅行がダメになる事をお願いし、それを聞いてたノブちゃんはここでやめられたら便乗旅行がダメになるからと、10円のお賽銭のおかみさんに対し100円を投入、この90円の差で無事紋太が北海道まで着く事を祈願するのだった。

そんな事とは露知らず、K-100が走っているとオートバイに乗った青年(コヤマハチロウ)と会う。
思わずK-100に見とれて紋太に声を掛けるハチロウ。
鹿児島から来たと言う紋太に、自分は北海道から鹿児島を目指してる途中と言う事で、これから先の情報交換をしましょうと意気投合。

一緒に白糸の滝を見に来た紋太とハチロウ。目の前から来た嘉代に気付いた紋太はハチロウと近くにあった観光用の写真パネル(書き割りの衣装から顔出して移す事のできるやつ)の裏から顔を出してやり過ごす。
しかし蘇我の兄弟って紋太さんに似ているというノブちゃんの発言から嘉代に気付かれるも、もう2人は姿を消した後だった。
「やや〜やっぱり今のは蘇我の紋太じゃ〜」

嘉代の目を誤魔化すために紋太はハチロウと服を交換、K-100の運転もまかせてほとぼりが冷めるまでハチロウのオートバイでK-100を尾行する事にする。丁度そこにやって来た嘉代は紋太がハチロウなのに愕然。ノブちゃんはお賽銭の差が利いた喜ぶがハチロウの「お母さんの追跡が厳しいのでオートバイで鹿児島に帰りましたよ」という言葉には2人揃って「そげなばかな〜」と呆然。出発するK-100を尻目にノブちゃんはお賽銭がパーじゃと悔やむが、さすが嘉代は「これはくさか、臭う」とK-100を追跡する事を決行!

するとK-100は立ち往生している子供達の乗ったバスに出会い、ハチロウは小田急花鳥山脈(おだきゅうかちょうさんみゃく)まで引っ張っていくと提案。それに賛同するようにK-100も汽笛一発!
駐車場までバスを牽引したK-100とハチロウは別れようとするも、子供達にぜひにと請われ一緒に小田急花鳥山脈に行く事になる。するとなんとハチロウは1000万人目の来園者となり一日園長をする事になった!
その特典は小田急花鳥山脈の施設を一日自由に使える事。

そして園長の帽子をもらい子供達から拍手をもらうハチロウだったが、それをピッタリマークする嘉代とノブちゃん。
そんなハチロウを陰から「そんな寄り道してたらお袋にボロが出るじゃなか」と歯がゆく見ている紋太だったが、突然警察から肩を叩かれ連れて行かれてしまう
実はハチロウは自分のオートバイでなく行く先々でオートバイを盗んでいたばかりか、ドライブインの無銭飲食有料道路の料金踏み倒しをして手配されていたのだ!
必死に自分は伊賀山紋太でコヤマハチロウでない、と言うが証明できるのが嘉代になるので歯切れが悪く、節子の事を思い出すも連絡の取りようもなく、紋太さんは哀れ警察行きとなってしまった。

その頃節子は、大沢崩れが立ち入り禁止の為追い返されていた。

ハチロウは子供達と冷やしそうめんの看板のある食堂の前を通りかかり、子供達にそうめんでもと引率の先生に言うがこの子達は父親のいない母子寮の子供達でここに来るのが一杯一杯でそんな予算は無いと言う。それを聞いたハチロウは一日園長の権限を執行して子供達にそうめんをごちそう!そしてK-100で園内の巡回バスのような物を引率して園内を巡回、子供達にできるかぎりのサービスをしてやるのだった。

一方紋太は警察で、ハチロウと服を替えただけなら、なんでその場で証明しなかったのかと尋問を受けていた。
嘉代の事を言った所で解ってもらえる訳もなく、頭を抱えていると大沢崩れの撮影許可をもらいに来ていた節子と会い、なんとか自分が伊賀山紋太である事が証明された。

いざ濡れ衣を払さんと小田急花鳥山脈に乗り込む紋太、節子と警察の面々だが、ハチロウと子供達の記念撮影にチャッカリ入り込んでいる嘉代を見て近づけない。そこで節子が一人で近付き。嘉代に浅間神社のおみくじは尋ね人に絶大な効果があるのに引かないなんて、と吹き込み嘉代は慌てて浅間神社に行ってしまった。それを見てハチロウの面の皮を剥がそうと姿を現す紋太だったが、これから何をするか様子を見よう、と言う警察の進言にしたがい様子を見ることにする。

するとハチロウは「もう帰らないと」と言う先生の言葉にも「もう少しだけ」と言って親身になって子供達の相手をしているではないか!
「なんで子供達に親切にしくしてくださるの?」と言う先生の言葉に、自分の母子家庭だと告白するハチロウ。「だから僕はあんなうちを飛び出し・・・」と危うく言わなくても良いことを言いそうになり慌てて子供達と鬼ごっこを始める。
そして目隠ししてつかまえた相手はなんと紋太だ!それに気付き愕然とするハチロウ。

「コヤマハチロウだね」と言う警察に紋太は、
「子供達の別れが済むまで、逮捕を待って頂けんですか?」
警察「良し」
ハチロウ「ありがとう!」
そして子供達と鬼ごっこを続けるハチロウ、それを見守る紋太。

そして子供達は帰っていった。それを見送る紋太、ハチロウ、支配人。
「色々御迷惑おかけしました」と一日園長の帽子を支配人に返すハチロウ。
それに対して支配人は
「今までいろんな方に一日園長になって頂きましたが、あなたは最高の一日園長です。子供達をあれほど楽しませてくれた園長は他にありません」
「僕は最低の人間です」と支配人、紋太にわびるハチロウ。
しかし紋太は。
「今度会う事があったら一緒に旅行しよう」
思わず泪ぐむハチロウに
「そんなこっちゃ、日本一の富士のお山に笑われるぞ」

K-100の後ろをハチロウを乗せたパトカーが走っていた。
そしてK-100が横道に入ったとき停車したパトカーの窓から
「紋太さん、さようなら!北海道までガンバって下さい!」
とハチロウが叫びパトカーは去っていった。

そしてK-100は山道を走っていく。途中合流した節子を乗せて、K-100はただ走っていた。
(つづく)


さて今回のケー100ですが・・・良い話です。なんだかひたすら良い話です。あれこれ私がここで書く事もないだろうと思わせてくれるエピソードでした。
そういう事であえて何も書きません。つたないでしょうがなるべく忠実に話しを文章にしたつもりですので読んでやって下さい。

文章だけだとわかりにくいのですが小田急花鳥山脈というのは遊園地というか・・・なんかそういう所です。
今はもう閉園されてしまっているみたいなのでなんだか時の流れを感じます。

今回ラストシーンで流れる「いいじゃないか」がどう聞いても今まで流れていたBGMでなくてカラオケだったので「ヴォーカル版初登場か!」と期待しましたがメロオケでした。

ところで紋太がハチロウと入れ替わる時にK-100の操縦方法について語りますが、
「このK-100はな、ハンドルという物は無くて、レバー操作によって動く。右側のレバーによって右側のタイヤを前進させ、停車させる。左側も同じ事。じゃから右側に曲がる時には右側のレバー操作によって右側のタイヤを停止させる。左側のタイヤに駆動力が掛かるので車は右に曲がる」
おそらくこれは事実だと思います。
それについては「K-100のベース車について」というの雑学コーナーにアップさせましたので見てみてください。

ゲストの福島資剛さんは「怪傑ライオン丸」のタイガージョーの変身前を演じておられた(最初演じていた役者さんが不慮の事故でなくなられた後を引き継いだ)方です。

細川俊夫さんは主に松竹系の映画に出演されていたベテランで子供番組ではお父さんから博士といろんな役で出演されていた方ですが昭和60年8月にお亡くなりになっています。

さて次回は私の地元「神奈川県」は箱根の芦ノ湖にK-100はやって来ます。お楽しみに!

(2002.7/8up)


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