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「はるばる来たぜ北海道 −函館の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田口 成光

主なゲスト
漁師のおじいさん
アキラくん
修理工
アキラの父


今K-100は、津軽海峡を渡っていた。

どのあたりにいるのか近くにいた釣り船の漁師のおじいさんに尋ねる紋太。
海の上にいるK-100に驚くおじいさん
「わしゃ、陸蒸気(おかじょうき)っていうのは知っとるがこりゃ海蒸気じゃな。どうなとんじゃ?」

紋太が函館はどっちかと尋ねると視界にある陸地を指さし「向こうに見えるのが函館山じゃ」
「あれが函館か、あれが北海道か!おい、K-100とうとう函館に来たぞ、はるばる来たぞ北海道!
勢い余って思い切りパネルをたたくとK-100もそれに応えて汽笛を鳴らす!(バックにかかるは北島三郎、函館の人)

その頃節子とノブちゃんは函館でK-100の到着を待っていた。
「K-100が北海道に着いたら私の旅も終わりじゃ」というノブちゃん。節子は沈没でもしてないかとK-100の心配。それを聞いたノブちゃんと、紋太とK-100とどっちが大事か争っていると、K-100の汽笛が聞こえ節子は駆け出す。ノブちゃんも後を追うがその堤防で釣りをしていた少年(アキラ)の釣り針が髪の毛に引っかかり、アキラくんごと走っていく。

ついに北海道に上陸するK-100。その姿を写真に収める節子。K-100から降りてみんなと握手をしているとアキラくんが
「これがK-100か。紋太さん、僕はK-100が九州を出発した時から、いつ来るかいつ来るかと思って待ってたんですよ」
市街を走るK-100を撮り、そのまんまアキラくんも交えて食事中、節子は浮かない顔をしている。紋太が「どうしたんじゃ」と聞くと、これほど長い間K-100の写真を撮ってきたのに満足できる写真が無いと言う。ゴールは目の前だし、それで気持ちが沈んでいたのだ。
それを聞いた紋太は、今まで一緒に旅をしてきた恩返しも含めて節子の為に写真撮影に協力をする事にする。

アキラの案内で八幡坂(はちまんざか)を登りカトリック元町教会の方面へ走るK-100、その姿を写真に撮る節子。
ハリスト正教会の見える高台で紋太は節子にどうか?と聞くがまだ節子にはしっくりこない。
そこでアキラくんが大沼(おおぬま)を推薦するがノブちゃんは「そこまでサービスする事はなか!」と反対するも、それをたしなめる紋太。
「いい加減な気持ちじゃここまで写真だけ撮って付いてくるなんてできん、節子さんはケー100が好きなんじゃ」

そして一同は大沼に到着。さすがに北海道だけあって夏なのに水は冷たく、ノブちゃんは万一落ちたらと心配するが水上で釣りをする写真を撮る事にする。その最中、アベックのボートがK-100の前を横切るのを観た節子は、アキラにボートでK-100の所で浮かんで欲しいと頼み、アキラくんは快く了解。ボートに乗っていくアキラ。しかし節子はアキラの乗るボートの栓をゆるめておいたのだ!

「アキラくんには悪いけど、これで決定的な写真が撮れる。大スクープで、あたしも有名になれるわ」途中栓が抜けてるのに気が付いたアキラは締め直して紋太さに手を振るが。次の瞬間には水が入り込んできて助けを求める声に変わっていた。
それを岸で見ていたノブちゃんは「助けないと」とあわてふためくが節子は胸まで水に浸かって夢中になりひたすらシャッターを切っていた。
そしてアキラは救急車で病院へ、ノブちゃんは節子が助けようとしないで写真を撮っていた事が許せない。
「節子さん、あんたは鬼じゃ!人が生きるか死ぬかの瀬戸際によう写真なんか撮っておられるな!」

とにかく救急車で運ばれたアキラを追って病院へ行く途中、K-100は突然止まってしまう。冷たい水の上に長時間いた上に、急に走り出したので調子が悪くなったらしい。通りかかったトラックにK-100を乗せてもらい修理工場まで送ってもらっい、そこで病院の場所を聞きK-100はそのまま預けていく事にする。しかし修理工は「これは大修理になる」とポツリと漏らした。

病院でアキラを見舞う一同。元気そうなので安心するがノブちゃんは節子が許せずせめる。しかしアキラは「ノブさん、節子さんのせいでもないんだからもう忘れてください」それを聞いてさすがの節子も表情が曇った。

修理に預けたK-100を引き取りに行くとなんと30万円もの大金を請求されてしまう。九州から函館まで約3500kmを走ってきて、ガタがきていた部分を全部オーバーホールしたとの事だがとてもそんなお金はない。しかし金をださないと渡さないと言い張られ紋太とノブちゃんはバイト探しに奔走。

紋太は得意の板前の腕も鹿児島と北海道では味付けが違うという理由で断られ、ノブちゃんと一緒に東山函館KGカントリークラブでキャディーのバイトをする事にする。男のキャディーは・・・と言われるが3人分働くという約束で入り込む紋太。

「ノブちゃんと2人でなんとか月10万は稼げそうなのでここまで来て残念じゃが3ヶ月後にはここを抜け出せるじゃろう」とK-100のお守りをしている節子に報告する紋太は差し入れにおにぎりを渡す。それを食べてさすがの節子も涙を流し、紋太に「ちょっと待ってて」と駆けだした!

そして質屋から出てくる節子を見かけたアキラは、なんとその質屋の中へ。

K-100を磨いている紋太の所に節子がお金を持ってやって来た。カメラの無い事に気付いた紋太はこの金は受けれないと断る。そしてついに節子は自分がK-100の写真集の為に決定的な写真が欲しくてアキラくんのボートの栓を抜いたと告白する。そして泣き崩れる節子を慰める紋太さん。

「K-100は長旅で疲れていたんじゃから今度の修理は当然の事なんじゃ。あんたも長〜い旅で疲れていたんじゃなかと。じゃどん、アキラくんの事はちょっと行き過ぎじゃったの」
そこにアキラがお父さんとやって来るが、そのお父さんの手には節子のカメラが!なんと節子の行った質屋はアキラの実家だったのだ!アキラの命の恩人からこんな大事な物は預かれない、とカメラバックを紋太に渡すお父さん。それを節子に渡しお金を返そうとするが
「アキラの命はお金に替えられないのでどうか取っておいてください」と受け取らない。
節子もアキラにボートの栓の事を言おうとするがアキラも、
「そうなんです、僕もう一度しっかりしたんですけど、きっと蹴っ飛ばして抜けちゃったんです」
それを聞いて涙ぐむ節子。
帰り際、アキラの父が応援がてらK-100を叩くとそれに応えて勢いよく汽笛を鳴らすK-100!

そしてK-100は北海道の広大な大地を、途中羊の群に邪魔されながらも走っていく。
(つづく)


さて今回からいよいよ北海道編です。これは昔見た時の印象もそうだったのですが、かなり盛り上げて津軽海峡に入った割にはあっさり着いてしまいました。
しかも海上のシーンは時々波が見えるので、その時はかなり岸に近いところにいるようにしか見えないのが惜しい!

ところで今回は珍しく節子が主役の話です。
やはりいい人だけでは話が進みませんから、節子の様なキャラもこういうシリーズには大事ですよね。
そうして見ると節子はこのドラマの中ではいわゆる理想のヒロイン、やさしいお姉さんという存在ではなく、紋太とは対照的に比較的現実的なキャラとして描かれて来ていたのも納得できます。今回はそんな節子のキャラが生かされた一遍と言えますね。

今回脚本初参加の田口成光氏はなんとケー100の前の時間枠の「ウルトラマンタロウ」でもメインとして筆を振るっていた方です。ちなみに本放送時のこの週のウルトラマンタロウはやはり田口氏の脚本で「これがウルトラの国だ!」です。(凄ぇ!)
一時間枠を違う番組で筆を振るうとは凄いバイタリティーですが、なんと最終回も書くことになります!しかし今回はいろんな意味でできすぎの話でした。

今回はゲストキャストの方を特定する事ができませんでした。今後わかり次第付け足していく予定です。
しかし北海道にいながらK-100の動向を知っていたアキラくんって?

さて次回は札幌、夏の北海道をK-100が走ります、お楽しみに!

(2002.9/8up)


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