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「火事だよ,機関車大ピンチ! −札幌の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:田口 成光

主なゲスト
今回ゲストはいらっしゃいません。


冒頭、北海道の大地を今までにない勢いで走るK-100。
手稲山のTEINE OLYMPIA・テイナ・オリンピアの第11回冬季オリンピックの聖火台のふもとで札幌を実感する紋太。北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)、札幌市時計台(旧札幌農学校演武場)を経てラーメン屋「賽王」で札幌ラーメンをむさぼっていると時計台の鐘の音に遅刻だと慌てて飛び出していく。

北海道大学構内 のクラーク博士の胸像の前でK-100を待っている節子。K-100と現れた紋太を胸像の前に立たせて写真を撮ろうとするがどうにもしまらない。「紋太くんは『ボーイ・ビー・アンビシャス、青年よ大志を抱け』の精神を実行して前人未踏の偉業を達成しようとしているのだからボーイズ・ビー・アンビシャスと言ってみて」とそそのかされ「ボーイズ・ビー・アンビシャスですたい!」と言うといきなり胸像の後ろから「カンバック、紋太!」と嘉代とノブちゃんが現れ紋太は捕まってしまう。

「何がボーイズ・ビー・アンビシャスなもんか!だいたいあげな機関車で夕張まで行こうっていう事が前人未踏な偉業なもんかね!もしあれが成功して新聞に載ったらお前は日本一の阿呆っちゅう事になるぞ!」と必死に紋太を連れ帰ろうとする嘉代。
「K-100を待ってるおじいさんの夕張の街はもう目の前じゃなかですか、K-100を見せたら僕は真っ直ぐ鹿児島に戻ると言ったじゃなかですか、なんで分かってくれんのじゃ」と食い下がる紋太。
「ダメじゃ!そげな事お前にさせてしもうたら母親が子供を想う愛ちゅうものが世の中にないっちゅう事になる。世界中で一番、強く、正しく、そして優しい〜のは、母親の愛じゃ。母しゃんな、世の中の母親の為にもどげんな事しても負ける訳にはいかんのよ!」
と、ここまで泣きつかれてあえなく紋太は撃沈。節子とノブちゃんの乗ったタクシーに、嘉代と紋太の乗ったK-100は引っ張られていた。
しかし節子はタクシーの運転手に一万円を渡して故障を装う。急に止まってしまったタクシーを必死になって押す嘉代の姿に罪悪感を覚えながら紋太は節子と逃亡。「母さん、ごめんよ!」

節子と2人でジュースを飲んでた紋太は嘉代の事を考えていた。それを見かねて節子は言う
「ねぇ紋太くん、あなたはこの半年の間いったい何やってきたの?」
「K-100に乗って、ただただ北海道まで走り続けて来たとです」
「それ、それよ!隆くんの気持ちをくんでK-100を走らせてきたその無償の行為に全国の子供達が心から拍手を送って見守ってるのよ」
そんな子供達を裏切っていいのかと言われ押し切られる形でK-100の所に戻ると、なんと嘉代がタイヤを全部はずしてしまっていた!
「あげな物(K-100を指して)があるからお前の血が騒ぐんじゃ、あれはスクラップ屋にタダでくれてやる!」
それを聞いた節子は「子供はいつまでも親の物じゃない、この旅を終えて一人前の男になるんです」と紋太の腕を引っ張って嘉代と張り合うが。節子にノブちゃんが加勢して勢い余ってみんな転んでしまう。するとつかつかと歩み寄ってきた嘉代の平手打ちが節子、ノブちゃん、紋太の順に炸裂!
「理屈でわからんもんはこうするんじゃ、これが愛の鞭ってもんじゃ」涙ながらに訴える嘉代「紋太、わかったか・・・」

その夜、紋太と嘉代は一緒に旅館に泊まった。
しみじみ喜んでる嘉代はそのまま寝入ってしまうが紋太の懐には節子からの手紙が入っていた。
「紋太くん、明日の朝早くK-100の所でノブちゃんの所で待ってます。ボーイズ・ビー・アンビシャス、お忘れなく。節子」

翌朝、スクラップ場のK-100の所に駆けつける紋太さん、急いでタイヤを付ける。その頃嘉代は目を覚まして紋太さんがいないのに気が付いた。

草原を紋太さん、ノブちゃん、節子のを乗せたK-100が走っていく。「お腹空いた〜」のノブちゃんの一言をきっかけに朝からみんなで焼き肉(ジンギスカン?)へ!しかしノブちゃんは嘉代への罪悪感からあまり箸が進まない。しかし当の嘉代はどうやって来たのかK-100のそばにいた。

「もう許さん、お前のおかげで紋太は親の愛を踏みにじる情けなかせがれになってしもうた。悪いのはケー100、お前じゃ!ケー100覚悟!
死んでもらいます


と、なんと嘉代はK-100に藁を突っ込み火を点けてしまった!
そして助けを求めるK-100の悲鳴(汽笛)は紋太の耳に届いた!「どうしたんじゃ!?K-100が泣いとる!」
急いで駆けつけるとK-100は黒煙に包まれていた。「K-100が燃えとる!」みんなが危ない止める中紋太さんはK-100に乗り込み一路川へ!
それを陰からみていた嘉代はあわてて飛び出して後を追う。
「母しゃんの負けじゃ〜紋太〜死ぬんじゃなか〜」
しかし髪振り乱して必死に後を追う嘉代は途中でなんと穴に落ちてしまった!

そんな事とは露知らず紋太とK-100は一気に川の中へ。
川の水をかけて鎮火し一段落いたと思ったら、今度はK-100が勝手に走り出した!
「勝手にどうしたんじゃ?」ととまどう紋太を無視し、頻繁に汽笛を鳴らしてK-100はひた走りある所に来て止まった。そこでノブちゃんが地面に落ちている嘉代の双眼鏡を発見。嘉代が穴に落ちた事に気付き急いでみんなで嘉代を引っ張り上げた。
病院で気が付いた嘉代はK-100に助けられたと聞き自分がK-100に火を付けた事を告白する。
「紋太、母しゃんの負けじゃ。ボーイ・ビー・アンビシャス、早う夕張のおじいさんの所へ行き前人未踏の偉業を達成するんじゃ」

嘉代のお墨付きをもらい節子を乗せてひた走るK-100の前になんと隆くんが現れた!手を振って駈け寄って来る隆くん。
「あ、隆くんじゃ」と紋太さん。すると節子も
「あ、本当だ。隆くん、夕張を目の前にしてたまらず駆けつけたって訳ね」
K-100も汽笛を鳴らして隆を迎える。そんなK-100と隆の姿がストップモーションになって
(つづく)


今回はいよいよ夕張を目の前に紋太さんと嘉代が和解しました。もうひたすら紋太さんを思う嘉代役の石井さんの芝居にぞっこんです。その表情豊かな事と台詞の抑揚がたまりません。その為今回のストーリーは台詞の引用が多くなってます。

ゲストもなく紋太と嘉代の関係をじっくり描いた一遍でした。しかし今回K-100は札幌市内を走っていませんね。一応繋ぎのショットとして画面には写ったのでストーリー上に記載しましたが北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)札幌市時計台(旧札幌農学校演武場)は明らかな別撮りでK-100は写っておらず風景ショットにしかなっていません。

この前年、札幌は第11回冬季オリンピックが開催されていて最高に盛り上がった年でした。どう盛り上がったかと言えば
アジアで初の雪と氷のオリンピック、第11回冬季五輪札幌大会は、1972年(昭和47年)2月3日開幕した。戦争でいったんつぶれ、32年ぶりによみがえった大会である。参加35ヵ国1655人の役員、選手。6競技35種目が14会場で11日間にわたって繰り広げられた。
という事です。

しかしラストにいきなり現れた隆くん、北海道に一緒にいたと思っていたのに2週間前に帰ったばかりなので勘違いだと思ってましたがやっぱり来ました!(しかし学校はどうした隆くん!)撮影自体は以前も書いたようにこの北海道編が実際の夏休み期間なのですが。

さていよいよ次回は前半のクライマックス、ついに夕張に入りますがおじいさんと会う前になんとK-100は・・・
お楽しみに!

(2002.9/15up)


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