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「それ行け登れ!二千段 −山形の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
イナガキ カズオ・・・野口 英行
客引きのおじさん・・・中村 是好


庄内平野を走るK-100と紋太。稲を刈り入れしているはんこたんな姿(覆面のような防砂用の顔被いで顔を包む庄内オバコ独自の格好)女性を見かけて「ノブちゃんなどはあんな風に顔隠した方が似合うかもしれんのう」と笑っていると、なんとその1人がノブちゃんだった。先回りしてアルバイトしながら待ってたという事だった。

そして湯野浜(ゆのはま)に入ったK-100は小学校を訪れ、葉書をくれたイナガキ カズオ君を訪ねるが宿題を忘れて居残りさせらてると言う事だった。
宿題が終わるまで外で待っていようと湯野浜駅前にやって来たK-100と紋太。旅館の客引きのおじさんに板前のバイトは無いかと聞くと、車があるなら便利屋をやった方がいいと勧められる。
便利屋とは、鶴岡市まで日用品や生活雑貨の注文に応じて買い出しに行きその手数料をもらう仕事である。

それを聞き早速紋太はK-100と共に鶴岡市に買い物に出かけた。食料品、玩具、化粧品等を買い集めてK-100一杯に荷物を積み込み戻る途中、鶴岡公園の脇で大きな荷物をしょったカズオと会い乗せて行ってやる事に。しかしカズオは紋太が便利屋を始めたと聞きくとそそくさと降りてしまった。どうしたのかと紋太が首を傾げていると今度はK-100が動かない。そればかりかいきなり車体を激しく揺らせた為化粧品の瓶が割れて食料が化粧品まみれになり売れなくなってしまった。

道端で引き取りてのなくなった商品を並べて途方にくれている紋太。
そこに、はんなこんな姿のノブちゃんが通りかかり「こげな事もあろうかとよかアルバイトを捜しておいた」と言う。その仕事とは地引き網を引き上げる事だった。しかしそれを陰から見て失敗するように祈ってるカズオを含む3人の少年がいた。それに答えるように汽笛を鳴らしまくるK-100。
はたして地引き網は引き上げたものの中には一匹の魚も入っていなかった。K-100が引き上げる前に鳴らした汽笛のせいだとさんざんとお客さんに攻められ、かかった費用だけはもらうからと親方に念押しされる紋太とノブちゃんだった。
それを陰から見て喜ぶカズオの友達だったが、カズオは紋太に悪くていたたまれなくなっていた。

そして紋太とノブちゃんはK-100に「いったいどうしたんじゃ?」と訪ねると、K-100はいきなりカズオ達の隠れている所に向かい走り出した。
3人を見つけて事情を聞くと、カズオのお母さんが便利屋をしていたが入院してできなくなったので、今はカズオがやってると言う。
それをK-100は知っていて紋太の仕事を邪魔していたのだ。

話を聞いた紋太は今後はカズオの代わりに便利屋を継続する事を決意するのだった!

そして便利屋の稼ぎをカズオに渡そうと意気揚々だった紋太は、便利屋を薦めてくれたおじさんからカズオのお母さんが危篤になったと聞かされる。
金の力じゃどうにもならないが何かしたいと言う紋太。それを聞いたおじさんは、カズオは今羽黒山(はぐろさん)裸足参りをしていると聞かされる。
昔から月山(がっさん)・羽黒山・湯殿山(ゆどのさん)は出羽三山と呼ばれ、土地の人の信仰の山で中でも山伏で有名な羽黒山の頂上までの参道、2446段の石段があり、その普通に登れば2時間かかる参道を裸足で一気に駆け上がるのが裸足参りと言う事だった。

それを聞いた紋太はカズオ君を応援する為羽黒山へ!
参道の入り口でカズオを捕まえ一緒に駆け上がるが、紋太は休憩所の玉こんにゃくに目を奪われたり途中ついに休憩をとろうとするがそこにK-100の汽笛が!

なんとK-100は紋太さんを煽るために石段を登ってきていたのだ!

K-100に追いたてられて石段を登る紋太。
頂上についたカズオ君は後ろからK-100の汽笛が聞こえるので振り返ると、そこにはK-100とよれよれの紋太の姿が!
「K-100も来てくれたんだね、ありがとう!」
するとそこにノブちゃんと客引きのおじさんが、カズオのお母さんの手術成功の報を持って現れた。
早速病院に向かうカズオ君。
ノブちゃんは「裸足参りはここが終点じゃ、ようがんばったね」とへばってる紋太の介抱をしている。ふと紋太が「2人はどうやってここまで?」と聞くと、なんと車で来られるらしい。そして、ほっとしたのもつかの間、おじさんが紋太に「大人に限り裸足参りは滝に打たれて終わりじゃ」と言われて滝に打たれる紋太。それを見て大笑いするおじさん。滝に打たれなくてはいけないというのは冗談だったのだ。
「いい思い出になるじゃろう」


そしてカズオ達に見送られてK-100は旅を続ける。全国でK-100を待っている子供達の為に。
(つづく)


今回も地方色豊かな娯楽編でノブちゃん大活躍です。
ここぞと言う時に現れたり、節子並の予知能力行動力を発揮し紋太に仕事まで世話したり、最後は紋太を世話女房のようにいたわってやる等、縦横無尽に活躍してます。(よ、紋太さんの幸せ者!)
節子と違って変装していきなり現れる所はおかみさんの影響か!?
K-100も、もはや生き物としての本領発揮、独りでに動き出しても紋太もノブちゃんも動じなくなってしまいました。

湯野浜は数年前に行ったばかりなのですがかなり風景が変わっています。自分の知らない土地だと今でもこのまんまと思いがちなので目から鱗が落ちた思いです。やはりどこでも30年の月日は均等に流れているんですね。
便利屋なんて職業も今では無いでしょう。(確認中)

ちなみに羽黒山の参道はちょっと湿っていると足を取られて滑ってしまう怖い所です。よくもあんな所であんな撮影をやったものです。

こんにゃくを売っている後に五重塔が写りましたがあの道順では本来逆です。
こんにゃくも30円でしたが今では安くても80円します。
ラストシーンの海岸線は湯野浜から隣町の加茂という少し南下した場所に行く途中で撮影しているはずです。

後半のケー100はK-100自体のキャラとしての確立と、レギュラーが紋太とノブちゃんのみになってしまいましたので、前半よりもゲストの比重が高くなり、漫遊記の趣が強くなってきたようです。紋太も旅を楽しんでるように見えます。

さて次回「新潟県」もお楽しみに!

(2002.11/2up)


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