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「 人情機関車と新米刑事 −新潟の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:田口 耕三

主なゲスト
詐欺師の女性(ユキオの実母)・・・姫ゆり子
一水荘の女将・・・白石奈緒子


紋太とK-100は新潟県、咲花温泉のある磐越西線、 咲花駅前で旅館「一水荘」(いっすいそう)の客引きをしていると、駅から降りてきた人の中にノブちゃんがいた。新潟で3日も待っていたのに現れないから心配になって捜しに来たと言う。
実は紋太、葉書をくれた「一水荘」の息子、ユキオ君に会いに来たのだが人手不足で困っていたので出発するにできなくなっていたのだ。
それを聞いたノブちゃん。
「ま〜た紋太さんお世話好きが始まったとね、人のいいのもいい加減にすることじゃ!」

ふと気が付くとK-100の側に旅行者らしい年配の女性が立っていた。急ぎK-100に乗せて旅館まで案内する紋太。
しかし女性は旅館の目の前で他の旅館を案内して欲しいと言い出した。
困った紋太は「このK-100は一水荘専属なのでそういう訳にもいかん、とりあえず一泊だけでも」となんとか旅館に連れて行く。

とりあえずチェックインしてもらうので宿帳を書いてもらった時、紋太は女性からこの旅館の子供について質問される。
紋太がユキオについて話すの聞きその表情には変化が!
職業が宝石のセールスマンと聞き紋太は目を輝かせるが、当の本人はタバコを出しながら妙に投げやりだった。

紋太が宿帳を持って女将の所に行くとK-100のファンと名乗る女性から電話があり「早くK-100を出発させなさい」と言われたと恐縮していた。
「ノブちゃんじゃな」とピンと来るが、そこに先ほど案内した女性から電話がかかり、夕方まで歩いてみたいのでユキオに案内してもらいたいと言う。
ユキオは今出かけているのでK-100でと答えるが、なんでユキオの事を知っているのか?と女将が首を傾げると紋太が
「僕が自慢しといたんじゃ。K-100ファンだけあってユキオ君はなかなかいい子です」

そしてK-100に女性を乗せて走っていると、お父さんのお見舞いからの帰りのユキオと会う。
一緒にどうかと誘うがユキオはこれから友達の所に行くのでダメだと言う。
それを聞きユキオに呼びかける女性。しかしユキオは
「どうしておばちゃんは僕の事知ってるの?ぼくはおばちゃんの事知らないのに」
それを聞き表情が固まる女性。しかし又紋太の「僕が教えたんじゃ」の一言で丸く収まる。

すると女性は歩きたくなったのでユキオと友達の所まで行くと降りてしまった。
2人を見送って走っていく紋太、そして女性はユキオ君から「いいものあげる」と栗をもらった。
その晩、その栗を大事そうに何度も眺めている女性の姿があった。

翌朝、K-100を手入れしていた紋太がユキオを学校まで送っていこうと言うが
「今日はおばちゃんが送ってくれるとゆうべ無理矢理約束させられた」と言う。
そこに件の宿泊中の女性がやって来たので2人を見送る紋太。
そこに女将がやって来て、あの人は子供を亡くされてるのでユキオを見ると思い出すのだろうという事だった。

K-100は又駅前に客引きに、そこで「佐取館」(さとりかん)の客引きをしているノブちゃんとばったり!
紋太さんのお客を引っさらって失業させようという作戦らしい。
そこで2人で関西弁の男を取り合い男は佐取館へ。

そして男は釣りに行き、その行った川にはユキオとおばちゃんがいた。
なんとおばちゃんはユキオの学校が終わるまで門の前で待っていたという事だった。
おかあちゃんと紋太が心配するので帰ろうと言うが「もう少し一緒に」と言うおばちゃん。
そしてユキオに一緒に東京に行こうとまで言い出した!困っていたユキオだが男に魚が釣れたので男の所に駈け寄って行きその話はうやむやに。
一方男はユキオに釣れた魚を自慢する反面、その視線はおばちゃんに注がれていた。

佐取館に戻った男は急に一水荘移ると言い飛び出して行った。その時落とした写真は一水荘に泊まっているあの女性!(に見えない・・・)
それを怪しく思ったノブちゃんは一水荘に忍び込み、男の動向を探っていると、男は女性の部屋の荷物を漁り始めた。
「泥棒!」とノブちゃん、紋太と2人掛かりで男は警察に。

しかし男は刑事だった。
一水荘に泊まっている女性は宝石詐欺師だという事で追いかけていたというのだ。お詫びにK-100で一水荘まで送る事になるが、なぜかK-100はのんびりと遠回りをしてすすきの茂る草原を走っている。「わざとか!」と怒る刑事に紋太が「K-100が勝手に回り道をしたとです」と言うとノブちゃんは
「K-100は何か訳があるとこげな事をするんじゃ」と誇らしげに解説!

その頃一水荘では、その女性が置き手紙と指輪を残しているのに女将が気付いていた。
「いろいろとお世話様になりました。お子さんといつまでもお幸せに。これは、私の心ばかりのお礼のしるしです。お納めください」
そこに戻ってくる紋太達。刑事は女性が姿をくらましたので大慌て。しかし女将には引っかかる事があった。
「あの方はユキオのお母さんかも知れない!」実はユキオは2才の時に旅館の前に捨てられていた子供だったのだ!
それを聞き女性のユキオへの態度が腑に落ちる紋太。
しかし女将は言い切った!
「誰がなんと言おうと、あたしあの子の母親なんです!」
そこになんとあの女性がたった今警察に自首したとの連絡が入った!急いで署に戻る紋太と刑事。それを見送りノブちゃんが
「あの女の人、覚悟を決めて、それで最後にユキオちゃんに一目会いに来たとですね・・・」

警察署では紋太が刑事に「10分、5分でもあの女性を外に出してくれ」と必死になって頼み込んでいた。

しばらく後、すすきの茂る草原に立っている詐欺師の女性、そこにユキオがK-100に乗ってやって来た。
そこでユキオを降ろし、汽笛を鳴らすまでおばちゃんと一緒に遊んでくれ、と頼むとユキオはなんの屈託もなく「いいよ!」と引き受けた。
草原をユキオと走り回る女性。それを陰から見ている刑事と警官。
ユキオと一緒に走りながら女性は心の中でユキオに別れを告げていた、口には出せないお母さんと名乗って。
そしてK-100の汽笛が鳴り、ユキオはK-100に乗って帰って行き、残された女性はK-100が視界から消えると警官の方へ歩き出した。

K-100の前にはユキオを待つ一水荘の女将の姿があった。それを見つけてユキオは叫ぶ
「あ、お母ちゃんだ!」
「よかお母さんじゃな、ユキオ君が迷子にならないように迎えに見えられたんじゃ」
「僕はそんな子供じゃないよ」と返され紋太もノブちゃんも笑うが紋太の笑顔は続かなかった。
「お母ちゃん」と叫ぶユキオに気を取り直す紋太さん、K-100も応えるように汽笛を鳴らす。
走ってくるK-100に向かって手を振る女将さんの姿がストップモーションになって
(つづく)


今回のケー100は切ない話です。
このやりきれなさは14話以上ですね。なんかちょっとしんみり系の話が続いています。そう考えると、やはりおかみさんの存在というのはいいアクセントになっていたんだなと忍ばれます。しかしこういう話は最近とんとみなくなりました。ひょっとして捨て子というのも死語になりますか?
しかし今回の救いはユキオ君の無邪気さです。それと女将と実母の方の渋い演技に支えられた作品でした。

実母役の姫ゆり子さんはあの「怪奇大作戦」24話で今は欠番扱いの「狂鬼人間」での美川冴子(狂わせ屋)役の方で73年10月スタートの『ラブラブライバル』(主演/岡崎友紀氏 大映テレビ+TBS)にもレギュラー出演していたそうです。(関屋様、情報ありがとうございます)

又、今後直せれば直しますがユキオの実母の固有名詞が特定できなかった為もっと綺麗な文章で書きたかったのですがちょっと煩雑で解りずらい文章になっています。(悔しい・・・)

今回珍しく撮影場所の旅館が特定しやすいです。一水荘佐取館も今でも存在する老舗の旅館です。
しかし駅前の雰囲気は今も昔も変わっていないようです。ラストのすすきの茂る高原は白馬近辺であろうと思います。

次回はケー100は佐渡に渡ります。お楽しみに!

(2002.11/9up)


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