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「噴火だ!救助隊出発 −阿蘇の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田口成光

主なゲスト
タケシのお母さん・・・松下 砂稚子
救助隊隊長(?)・・・花上 晃


K-100は阿蘇の町に入る前に節子と一緒にK-100を待っていた、シロウ君の頼みで阿蘇にいるシロウの友達(カトウタケシ)に誕生日プレゼントを届ける役を引き受ける。その頃、タケシの待ってる阿蘇の駅前では石橋がK-100が阿蘇に来た記念と「K-100サイン即売会」を開いていた。

K-100はサインを書けないので、物はK-100のプレートから拓本で値段は1枚五百円也!
「欲しい!」と群がる子供達の中に居たタケシは「K-100の為ならもっと新聞社とかにも言って、宣伝して売ろう」と提案する。
それを聞いた石橋は「それはいい!それじゃもっとつくらなくちゃ」と机の下からK-100のプレートを模した版画版を出してしまい偽物である事が発覚。

「阿蘇の頂上からK-100を見つけて言いつけてやる!」とタケシはロープウェイへ!それを追う石橋は切符がないので改札で阻まれてしまった。

さて、阿蘇駅前に到着したK-100と紋太は、待ってるはずのタケシがいないのでとまどい気味。そこで石橋と会い少学5年生くらいの少年が待っているはずなんだがと聞くが石橋は知らないと言う。
ただ待っていてもしょうがないし住所も解ってるので家に行こうとすると地鳴りが響いた。
どうやら阿蘇山の活動が活発になってきているらしく今日あたり噴火するかも知れないと言う事だ。

その頃、阿蘇山にも警報が流れ登山客に下山を促していたが走って下っていたタケシはころんで動けなくなってしまっていた。

そして紋太と石橋、なぜか仲良く2人してタケシの家に着くがタケシは留守だ。そこで石橋が紋太の素性を言うと、上がって待って下さいと言われ遠慮する事無くズカズカと上がり込む石橋だった。
いつまでたっても帰らないタケシを心配し、探しに行こうと写真を見せて貰うと、みかんを食い散らかしていた石橋が「その子なら阿蘇に行った」と言い、紋太を探しにやって来た節子も含めて皆で救助隊本部のある白雲山荘(はくうんさんそう)へと家を出ると、ついに阿蘇山が噴火を始めた!

救助本部では噴火が始まる前ならともかく、噴火中の山の頂上まで行くのは不可能だと言われ紋太がK-100で助けに行くと宣言!
「K-100は厚い鉄板で作られてるから少々の火山弾なら大丈夫じゃ!」

救助隊本部の反対を無視してK-100の窓にで囲いを作っている紋太。
そこに思いとどまるように言いに来る石橋と節子。
節子「K-100には沖縄に行くという使命があるのよ!」
石橋「K-100が壊れたら元も子もなくなってしまうんですよ!」
節子「紋太くんが怪我したら、いったい誰が沖縄へK-100を運ぶのよ!」
紋太「君たちはいったい何じゃ!僕はK-100を信頼しているからこそこうやておるのじゃ!タケシ君は今頃、どんな気持ちで助けを待っているのか考えたことがあるのか!やる事もやらんで、議論ばかりしててもしかたなかと!」
節子「でも、沖縄全部の子供の夢を破ることはできないわ」
紋太「節子さん、現に一人の子供の命の危ない時じゃ。ごちゃごちゃ言わんで下さい!先の事は先の事じゃ!」
節子「分からず屋・・・あたしは紋太君の事を考えて言っているのに」

紋太「僕の事など心配してくれんでもいい。それより手伝ってください!」

しかし節子は「嫌よ」と一言、そっぽを向いて「死にに行く人の手伝いはできない」と言う石橋とその場を離れてしまう。
そんな2人を無視して作業に励む紋太は鉈(なた)で指を切ってしまう。それを見て駆け寄り手当てする節子。そこでもう一度優しく問いかける。
「紋太くん。どうしても行くの?」
その問いに紋太は何の迷いもよどみもなく答えた。
「うん!どうしても行かねばならんのじゃ!」

それを聞いた節子には一つの決心が固まり、救助本部から消防士のつけるマントとヘルメットを2セット借りて紋太の所に戻って来た。「あれも計算に入れておこう」と陰から見ている石橋はなにやら計算中。

準備が出来た紋太は、助手が欲しいと石橋を捜すがいないので、一人で行くかとマントを着ていると目の前で節子もマントを着ていた。慌てて止める紋太だが
「あたし、悪運は強いのよ。紋太君一人行かせるわけにはいかないわ。あたしも一緒に連れてって」
そして2人を乗せたK-100は汽笛一発いざ阿蘇山へ!

一方石橋は、タケシ救出成功の折りにかかった費用6万5千円(竹代3千円、燃料費1万2千円、人件費2万円、危険手当3万円。ヘルメットとマント代として2万円も請求したが、それは本部のだという事で却下)を成功報酬として受け取る段取りを救助隊本部とつけていた。それくらいで人の命が助かるならと了解をもらい念の為契約書に判子(拇印)押させる石橋は、契約も一段落したので一同阿蘇山の監視カメラでK-100の働きを見守る事に。

その頃K-100は、煙と火山弾が飛んでくる阿蘇山で必死にタケシを捜していたが、K-100が赤い煙を吐き出しオーバーヒート!
そして竹の囲いにも火山弾が当たり燃えだしてしまう。
それを見ていた救助本部では「あれで助け出せたら奇跡だ、契約書の倍出してもいい」と言うので石橋も俄然応援。

そしてK-100も又、釜が熱の為赤く光り出しピンチになってきたので、火山弾の飛んでこないトンネルに一時避難。まだ残っている雪をかき集めてK-100を冷やす事にする紋太。
なんとか復活してトンネルから出て来て頂上に向かK-100。
それを見ていた本部だが、カメラに火山弾が命中し本部ではどうなってるのか解らなくなっていた。

いよいよ頂上付近まで来たK-100だが、煙で先が見えないのでK-100の汽笛を鳴らしてタケシから見つけてもらう事にする。
しかしケー100の汽笛を聞いたタケシは、意識が朦朧としていて幻と思っていたがなんとか隠れていた所から這い出してきた。
それを見つけた節子が飛んでくる火山弾を物ともせずに助けに行くが、K-100に乗り込む途中で自分も怪我をしてしまう。
そんな2人を収容し、急いで山を下りるK-100。

もう夕方だというのに戻って来ないK-100をあきらめて、契約書に火をつけてたばこに火をつけた石橋だがその直後、K-100の汽笛が聞こえ皆で出迎えに飛び出すがすでに契約書は灰になっていた。

そして病院に収容された節子とタケシを見舞う紋太。
タケシにはシロウから預かった誕生日プレゼントと、本物のK-100のプレートの拓本を、節子には花束を贈る。出発の時間だからと出て行きかける紋太を呼び止めて節子は言う。
「あたし、なんだかだんだん紋太君に似てくるみたい」
それを聞いて照れまくる紋太。

タケシの母に見送られ病院の前から出発しようとすると病室の窓が開いて節子とタケシが手を振った。
その声援に応えるように阿蘇山をバックにK-100は走っていく。

(つづく)


今回は阿蘇山噴火のスペクタクル巨編!(笑
と言うよりはありえないと思っていた紋太、節子の急接近な話です。

再登場の節子は前半程毒舌でなく可愛らしいキャラになっていましたが今回で頂点を迎えた感じです。
特に行く、行かないで口論しているやりとりは最高で、思わずまんま採録してしまいました。
しかし前半の頼りなかった頃の紋太とは別人の様です。

石橋も一瞬いい奴かと思わせつつ、しっかり紋太の行為を金に換算してるあたりは絶妙です。

ここまで紋太と節子の描写に重点を置いてしまうと、肝心の救出劇が浮いてしまうのではないかと懸念してしまいましたが、意外と臨場感がある噴火の描写と、トンネルの中で光るK-100の釜が強烈な印象を残し、又節子と紋太が2人で行動する事により全体として2本分のネタを1本につぎ込んだというような見応えある作品に仕上がっています。

さてこれで、今後紋太と節子はどうなるのか?という興味で引っ張りつつ残すところ後5回です。お見逃しなく!

(2003.3/15up)


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