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「機関車をノックアウトせよ! −指宿の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
シンジロウ・・・津坂 浩史
タモツ(シンジロウの弟)・・・松田 剣
オババ(シンジロウのお婆さん)・・・田中 筆子


K-100は今熊本城下を走っていた。
紋太は加藤清正の築いた熊本城を目の当たりにし見物する事に、それを陰から見ていた石橋は何やら思いつき、ビール瓶に投げた帽子を引っかける練習を始める。
観光客にジロジロ見られて笑われても「これでいいのだ」と納得している石橋。

その夜、ホテルの脇に止まっているK-100に忍び寄るリヤカーを引っ張る石橋の影。
K-100は汽笛を鳴らすが昼間の練習の成果、投げた帽子でライトを隠されておとなしくなってしまった。

その汽笛はホテルの調理場で仕事の片づけをしていた紋太の耳にも届いていて、様子を見に来たが異常もなく帽子にも気づかず引き返してしまう。
石橋は紋太がいなくなった隙に、リヤカーに積んできた氷をケー100に巻き付け病気にしてしまう作戦に出た!
調子の悪くなったK-100を紋太が見捨てるのが目的なのだ。

翌朝、ガタガタ震えて調子が悪いK-100を整備士の人に見て貰った所、「これは人間で言うと急性肺炎だな」と言われ、人間なら温泉で静養するのが一番と言うが、K-100は水に浮いてしまうので温泉につかれない。どうしたものかと思っていると指宿(いぶすき)日本で唯一の水のない温泉(砂むし温泉)があると言われていざ指宿へ!

さて指宿で、K-100と一緒に砂に埋もれていい気分で歌っている紋太姿を見て、「沖縄まで、もうすぐなのになにやってるの!?」とあきれて声をかける節子だが、紋太に勧められて一緒に砂に入る事に。
そこで通りかかった番頭さんに浴衣を頼むと振り返った番頭が「紋太さん……」と逃げようとする。
慌てて砂から体を起こして引き留める紋太。

その番頭はプロボクサーになると言って東京に出ていった紋太の親友の弟、シンジロウだった!
しかしプロの厳しさに耐えられずに逃げ帰ってきたが、国元に帰るのもバツが悪くここにいると言う。そんなシンジロウに紋太は激怒し胸ぐらつかんで
「それでも薩摩隼人か!」と言うが逆に殴り倒されてしまう。
「あいつこげなパンチもっててなんでプロがつとまらんのじゃ・・・?」

一夜明け、シンジロウのお婆さんと弟(タモツ)を連れてくる紋太。
「オババ…タモツ…」とつぶやくシンジロウは、その場でお婆さんから説教されて、このまま隠れているよりは、もう一度拳闘を目指してみないかと諭されていると突然K-100が走り出しシンジロウに向かって行った!

それを見て驚くお婆さん!「人が乗らんのに動いとる!?」
「K-100は体の具合が悪いから、あんなに走っちゃいかんのじゃ」と紋太は追いかけるが、K-100は一直線にシンジロウを追いかけ回す。どうした事かと思っていると、紋太の所にお婆さんが駆けてきたので走っちゃ体に悪いと言うと走るのは健康の基本だから気にしなくていいと言われる。

それで節子はピンと来た。K-100はシンジロウをカンバックさせる為にロードワークをさせて鍛えてるのだと。
それを聞いたタモツとお婆さんは素直に感心。「K-100さんというのはそんな神通力をもっとるのかのう」
一部始終を陰から見ていた石橋はK-100の周りによけいな人が増えていくのがやりにくくて面白くない。

その夜、お婆さんは節子に隠れて「ボクシング入門」の本を読んでいた。

翌朝、従業員部屋でシンジロウと寝ていた紋太はK-100の汽笛に起こされる。
何事かとK-100の所に行くとお婆さんがいて、独りでに汽笛が鳴っていたと言うが実はお婆さんが鳴らしていたのだ。
そしてシンジロウにK-100と一緒にロードワークに行けと言うが、K-100は体調が悪いので勘弁して欲しいという紋太。

だがお婆さんに「シンジロウが自信を取り戻すかどうかの瀬戸際なんじゃ、K-100さんの神通力におすがりしたいんじゃ」と頼み込まれ断れなかった。

出発した2人を見送るお婆さんだが、その後節子と様子を見に来るとシンジロウは浜辺に座り込んでいた。道具が無いと何も出来ないと言うのだ。

それを聞いたお婆さん、K-100の釜に耳をあてて「サンドバッグを作れと言うとるぞ」とK-100のタイヤを一つはずしてロープで木からぶら下げてサンドバッグに。節子はお婆さんに「K-100がサンドバッグ作れって言ったの?」と聞いてみるが、お婆さんは「わしがサンドバッグなんて言葉、知ってる訳なかと」ごまかす。

さてサンドバッグを打ち疲れてへたりこんだシンジロウに、又お婆さんが縄跳び、そして次はウサギ跳びと、次々とK-100さんが言っとるとシンジロウを特訓。

その夜、石橋はK-100の煙突から唐辛子ひまし油を入れるという強硬手段に出た。
そして次の日もシンジロウのロードワークに付き合っているとK-100は突然急停車。調べてみると釜が「グルグル」と音をたてている。そこでまたしても整備士の人に見てもらうが絶対安静、人間で言ったら危篤状態との事。

それを聞き、K-100をだしにシンジロウに練習させて来た事を告白し謝るお婆さん。反省してシンジロウと一緒に鹿児島に帰ると言い出した。しかしそれを聞いたK-100は絶対安静の身でありながらシンジロウに向かって行った。

そんなK-100を見てお婆さんは言う。どうやらK-100はシンジロウの情けない根性を鍛え直そうとしているらしいので海に落とされたくなかったらK-100と対決しろと。

それに応えてK-100も汽笛を鳴らす。ビビるシンジロウとK-100を心配する節子。しかし紋太も、K-100殴っていいからとグローブを投げてシンジロウはK-100と対決する事になった。

なんとかかんとかK-100と戦うもシンジロウはどうにも分が悪く崖っぷちに追いつめられてしまう。いよいよシンジロウが海に落とされると言う時、陰から見ていた石橋がいてもたってもいられなくなり「弱点のヘッドライトをねらうんだ!」と絶叫!それを聞いてライトにパンチを出し、見事命中!K-100はえんとつもはずれて止まってしまいなんとか勝負はシンジロウの勝利に。

そして旅立ちの時。
絆創膏と包帯に巻かれてヨレヨレになったK-100に乗った紋太は、シンジロウに「これからは自信を持ってがんばるんじゃぞ」と言い置き、シンジロウは節子と一緒に東京のジムに戻る事になった。

そしてボロボロのK-100に礼を言い謝っているお婆さん。その陰から石橋が「俺とした事がライトを狙えなんて、敵に作戦を教えてしまうとは・・・」と悔やんでいた。

そして弱々しく汽笛を鳴らして出発するK-100、みんなの声に振り返り手を振る紋太さんの姿がストップモーションになって
(つづく)


さていよいよ紋太は故郷に近づいてきました。
今回はそんな紋太の知り合いが出てくる、お話としてはK-100受難の一遍です。
とにかく今回のK-100は踏んだり蹴ったり、氷で冷やされ、ひまし油を飲まされ、ボコボコにされ、とろくな目に遭わないまま指宿を後にします。

それでもなんとなく最後まで観れちゃったのはオババのキャラが立ってる為でしょうか?しかしオババとは逆に石橋も陰が薄く全体的にインパクトに欠ける回ですね。

内容的には32話と近い物があります(ゲストもなんとなく似ている)
前回もそうでしたが今回の紋太も襟首つかんで相手を怒るなど、故郷が近づいてきて行動的になってるようですね?

今回シンジロウに殴られたK-100がへこんだり色が落ちたりします。色があんなに簡単に落ち、下地は白の様なので以前掲示板で問題になったと釜の光るからくりは塗装を落とすというのがやはり正解か?と思って見てしまいました。

しかしラストシーンではしっかり直ってると思ったK-100ですがボロボロのまま出発するとは……あれで鹿児島凱旋というのはあんまりだ!

さて次回はタカシ君もタカシのお父さんも再登場!内容的にはちょっとつらい一遍だったと覚えています。
次回が終わればいよいよ沖縄、残りわずかです。お見逃しなく!

(2003.3/22up)


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