『高橋二三』さん台本探訪記
※このページに掲載されてます写真は管理人がデジカメ持っていけなかったので
カレー屋さんから提供されています。

また、台本の写真もこのサイトでの公開に限定して許可頂いてますので
これらの画像、文章のコンテンツの無断使用を禁じます※
 
 2013年4月10日、脚本家高橋二三さんの台本を群馬まで探しに行ってきました。
 ケー100のメインライターであった高橋二三氏は、所蔵の台本を全て郷里の図書館に寄贈されたと以前からお話しを聞いてはいたのですが、台本自体は佐賀様もお持ちだし「群馬遠いな〜」と二の足を踏んでいました。

しかし3月に映画『インターミッション』トークショーで大野さんにお会いできた勢いで「何か新発見があるかも」と、C100さん、カレー屋さんの三人で群馬まで行って来ました。
▲4月10日、朝9時台・高崎線某駅着
 事前に行く日程等連絡して了解を頂いてお訪ねしておりますが、図書館としては寄贈された台本がまだ未整理で問い合わせ等があっても対応できないでのお名前は出さないで欲しいと希望されましたので、最寄り駅を書いてしまうと特定が容易ですから一応伏せておきます。(今後了解が出れば公開するかも知れません)

駅からバス移動でしたが直接行けるバスはなく、一度町役場(約20分)へ。そこから徒歩10分ほどの所に町の文化センターがあり、図書館もその施設の中にあります。

▲文化センター。回りには何もなく建物がポツンとありました。

 ちなみにバスは1時間に1本ほどなので駅前には貸し自転車(平日のみ)無料でありましたから平日に電車で行く方は自転車が時間も気にしないで良いのでお勧め。(駅からは約5km)

図書館に到着後担当の方にご挨拶。
今回の目的は『走れ!ケー100』関連の資料の発掘は元より、台本は未整理との事でしたので図書館にお礼も兼ねた寄贈台本の一覧作りです。

台本は全部で4箱の段ボールに収まっていましたが、私たちのために急遽図書館側で50音順にリストを作り、箱もその順に入れ直して1〜4迄ナンバリングしてあり、非常に助かってしまいました。
▲走れ!ケー100の台本が入っていたNO.Vの箱の中身。
50音順なので、ハ行とナ行の台本が確認できます。

個人的にはケー100以外の古い台本に興味津々。

方針として図書館が作ってくれたリストを元に現物を確認。TV、映画、サブタイトル等細かいことを追記して返却し、そのコピーを1部頂くという事で作業開始。

▲寄贈されていたケー100関連の台本全て

さて、付け合わせるに早速妙な事が。

高橋氏の書かれたケー100は全51話中22本です。しかし写真を見ればわかりますが全部で24冊あります。

ちなみに一番右下の白い表紙の台本のみ準備稿(49話)です。49話の台本は記録写真集掲載の写真ではタイトル無しですが、この準備稿には『紋太の幽霊、沖縄へ』となってました。

同じく記録写真集によるとケー100の台本にイラストが描かれるようになったのは1号車の焼失事故以降、許可取りや何かしら説明がしやすいように3話の台本から描かれたとあります。

しかし記録写真集掲載の台本の表紙には全てイラストとロゴが記載されており、どうやら1、2話に関しては後から保管用に製本し直されたようなんです。
実際記録写真集収録の台本のタイトルは放映タイトルとも一致しており、DVDのブックレット等に書かれているタイトルとは異なります。

そういう意味で1,2話にはタイトルのみの台本が存在してるはずと言う想定はあったのですが今回1〜4話のイラスト無し台本が見つかりました。
▲上段4冊がイラスト無し1〜4話。
ちなみに1話は「生きている機関車」2話は「機関車蒸発?」と言うタイトルで
DVDブックレット等の記述と一致。

 しかしそれもおかしい。3話からはイラスト入りのはずと思ったら、なんと3話と4話に関してはイラスト入りと無しで各1冊の2冊づつ存在したのです!
▲イラスト入り3、4話の台本。記録写真集やDVDのブックレットでも
同じタイトルで紹介されており、撮影に使われた物と同一なのは確実。

なるほど、中身同じで表紙を付け替えたのかと納得してたらサブタイトルが違う!
イラスト無しは

3話「我慢くらべ作戦」(大分の巻)
4話「ボタ山子守歌」(福岡の巻)


とあり、中身確認するとイラスト付きの本とはまったく違う!(勿論放映された物とも)
急遽佐賀様に電話すると、
「高橋氏は前任者が降りて企画の最後期に参加した方なので、参考用で前任者の書いたあらすじから台本にした物かもしれない。手元に無いから読んでみたいのでコピーして来て欲しい」
との事
▲イラスト無し3、4話の台本。
検討用かサンプル台本かも知れないと佐賀様談。

しかし寄贈された時点で台本は図書館資料。

その制約で全ページコピーは不可との事でしたが、私が高橋二三氏了解の元に訪ねてること、又その場で高橋氏に電話して図書館の方と話して頂き、表紙や内容の採録と公開の許可(同人誌も含む)を頂き、コピーは台本が傷むのでC100さんにイラスト無し1〜4話と49話準備稿(他の台本は佐賀様もお持ちなので)の全ページを撮影してもらいました。

これらは追って公開予定。

当初は「創作ノート」があれば何か思い出すかもと高橋氏に言われていたのでそれも目的でしたがそういう物はありませんでした。しかしケー100としては上記2冊があっただけで群馬まで行ったかいがあったと言う物です。


後はひたすらに黙々と付け合わせ。図書館側のリストのおかげで予想外に早く作業は終了。およそ380タイトルの作品が寄贈されていました。

しかし、ケー100は全て揃っていましたが他のタイトルでは抜けてる話数も多く、高橋氏の完全な資料とは言えませんが付け合わせている間はまず手に触れることも見る事もなかったであろう昭和30年代の映画、TV、ラジオ台本等の手書きロゴに時代を感じたり、単に古い台本というだけでなく、『歴史』を見ているようで非常に楽しい時間でした。

私はケー100以外まで手を伸ばす気はありませんが、一作家の台本がこれだけまとまった状態で残ってることはとにかく貴重な事だと思います。今後これらの台本が、研究家の方のお役に立つ事があれば良いと願わずにはいられません。

こちらの都合で訪ねたのに短期間でリストを作ってくださった図書館の方と、図書館に色々お話し通してくださいました高橋二三氏、共に資料整理に参加してくれたC100さんとカレー屋さんにあらためまして御礼申し上げます。


2013年5月4日UP
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