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「汽笛が呼んだ高原の春 −大分の巻−」


監督:枝川 弘
脚本:高橋 二三

主なゲスト
ホテルの支配人・・・田中春夫
ひとみ・・・白取雅子
ひとみの父親・・・南祐輔


今日も隆くんは病院のベッドの上で「K-100は今どのへんだろう?」と日本地図を眺めていた。その視線の先は・・・大分県!
「スクラップとなっていたK-100を再び動けるように仕上げた末永隆に、ある日K-100の最初の運転手だったという北海道の老人から一通の手紙が届いた。ぜひもう一度K-100の運転台に座りたいという老人の訴えに、隆は北海道行きを計画したのだが足に大怪我をしてしまった。悔しがる隆の願いを実現すべく鹿児島を出発した伊賀山紋太、目指すは遙か北海道。さて、どういう事になるのか・・・」

大分県別府市に入ったK-100は城島高原「キジマモートピアランド」にやって来た!
たちまち親子連れに囲まれる大人気のケー100!
そこになぜかタクシーにあいのりで現れる節子とノブちゃん。
「体の具合が悪く鹿児島に戻ったおかみさんの代わりに紋太さんを連れ戻す使命がある」といいつつその実「この機会に日本中を見て歩くのが私の狙い」と言い切る現代っ子のノブちゃんであった。

集まった子供達にK-100の説明をしている紋太、そこに一人の少女(ひとみ)が走ってくるが仲のいい母子の姿を見て踵を返し走り去ってしまう。
家に帰り愛犬の太郎(ひとみの身長と変わらないデッカイ犬!)と戯れるひとみ。
そこにK-100が通りかかりそれに気が付いたひとみは「あんな変テコな機関車なんか乗せてあげるって言ってものらないわ」と悪態を付く。
太郎の大きさに驚いた紋太はK-100を降りて「人の言葉が解るなんてK-100みたいじゃ」と太郎をほめるがひとみは「あんなヘンテコな機関車と一緒にして欲しくないわ」と突っけんどん。ここはいい所を見せようと汽笛を鳴らそうとするがうんともすんとも鳴らないK-100。
そんなこんなでひとみの家の牧場の物置みたいな所に泊めてもらう事になる紋太とK-100。
紋太が「こんな所でなくてうちに泊まればいい」と言うひとみの父親の申し出を断ってると突然鳴り出すK-100の汽笛!
そして太郎も吠え出したのでひとみの父親が様子を見てこようとするのを「人間の言葉のわからんもん同士語り合ってるんでしょう」と止める紋太。

しかし次の日、太郎は行方不明になっていた!
どうやらK-100の汽笛のせいで逃げ出してしまったらしい。
泣きじゃくるひとみ、そこに通りかかった節子とノブちゃんからも紋太は責められてしまう。

ひとみの父親は近所のホテルの支配人に太郎が行方不明になったと話していた。
実はK-100の汽笛はこのホテルの宿泊客の間でもうるさいと問題になっていたらしい。
実は太郎はこのホテルの社長のもので、母親を2年前に亡くして笑顔を無くしたひとみの為に支配人が太郎を借りてもらいやっと笑顔を取り戻したと言う。
そして今は出張で留守の社長が戻るまでに太郎を捜し出せと厳命されてしまう。
それをホテルの陰で聞いていた紋太は一念発起探し回るが見つからない。
高原は探しつくしたので別府まで足をのばし海地獄を捜す紋太さん、しかし太郎はどこにもいなかった・・・
そして牧場に戻ると今度はひとみちゃんがいなくなっていた!

犬より人が大事とみんなでひとみを探し出すと一人白鳥のいる池の脇にたたずんでいた。
その晩、太郎がいなくなったのは紋太のせいじゃないと父親からたしなめられるてお茶を持って行かされるひとみ。
お茶を持っていくと夕飯にも手も付けずに紋太の姿はなく
「太郎」
と太郎を捜す紋太の声だけが聞こえていた。

翌日、紋太はホテルの支配人から突然鳴り出すK-100の汽笛の事でクレームを受けていた。
「羊は乳を出さなくなる、泊まり客は寝れないと言う、太郎はこっちで捜すから一刻も早く出ていてくれ」と。
そこを食い下がり一日だけとなんとかと了解を得る紋太さん、そのやりとりをK-100の陰で聞いてるひとみ。
そしてその晩、ひとみが食事を持っていくと又紋太の姿はなく「太郎」と叫ぶ声だけが聞こえていた・・・

翌朝、K-100の側に現れるひとみ。
太郎は見つからないけど今日どうしても発たなければいけないので一度K-100に乗らないかと言う紋太さんに「紋太さんがどうしても頼むなら乗ってもいい」とK-100に乗せてもらうひとみ。本来引っ張れば汽笛が鳴るはずの紐を引っ張って二人とも煙にまみれて真っ黒になってしまう。
お互いの顔を見て笑い会う紋太とひとみ。そこに突然現れるひとみの父親、支配人、節子、ノブちゃん。
「ひとみが笑ってる」と父親は喜ぶがひとみが紋太にK-100を置いていってくれとお願いしたと聞いて驚く一同。
「こりゃ2年前社長に犬ねだった時と一緒だな」とひとみの父親に言う支配人。
「わがまま言うんじゃない」とひとみを父親はしかるが、「別れが辛くなるだけと」いうみんなの意見を退け「もう一日居るから」とひとみを学校に行かせる紋太さん。

しかしその夜、ひとみは一人でK-100に別れを告げていた。

そして翌朝、紋太さんがK-100の所に行くひとみの手紙と共に紙で作った鎖の輪がK-100にかかっていた。
「K-100さようなら、もんたさんさようなら、ひとみ」
その手紙を見て旅立つ紋太さん。それを見送るひとみと父親。すると突然、姿を現す太郎!
「K-100が居なくなった途端姿をあらわすなんて利口な犬だ」と感心するもこの事をみんなと紋太に知らせねばと支配人さんにジープを借りると言う父親。

走るK-100の前に走ってきて一部始終を語るひとみとみんなを見て
「そうだ!隆くんに太郎の写真をおくってあげなくちゃ!」
とK-100に向かって駆け出す紋太さんがストップモーションになって
(つづく)


今回は、序盤のエピソードという事もありK-100のディテールやその機能(時速40キロ、薪で走る等)について、子供達に語るというスタイルを借りて紋太さんが説明してくれます。(なんとケー100にはフェンダーミラーが付いていたのでした!)
しかしここで紋太さんは子供達にK-100は「水陸両用」と説明しています。これが後に大きな矛盾を生む事となってしまいますが・・・それは又その時に。

ちなみに今回の孤独な少女とK-100というプロットは第15話「ほんとにきちゃった海賊船」等ケー100全体の中でも結構頻繁に繰り返される重要なモチーフです。

さて次回は福岡県、九州も残りわずかです。お楽しみに!

(2002.4/21up)


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