39
「 機関車タコは一等賞 −鳥取の巻−」


監督:青野 暉
脚本:田口 耕三

主なゲスト
リョウイチ・・・佐瀬 陽一
コウジ・・・渡辺 厳一
リョウイチとコウジの母・・・富山 真沙子
支配人・・・高木 二郎


 K-100は一人の少年(コウジ)を乗せて鳥取砂丘(鳥取大砂丘)を走っていた。駅前で一人でいたのを見つけて危ないからとうちまで送り届ける所なのだ。家に着くとコウジの兄(リョウイチ)も帰ってきた。
「K-100でおなじみの伊賀山紋太じゃ」と挨拶する紋太!
コウジは父を迎えに出掛けていたつもりだったのだが今年は出稼ぎが忙しくて正月に帰ってこられないと手紙が来ていたと言うことだった。

 そして兄弟は、あさって行われる凧揚げ大会の為に凧を作り始めた。実は2人の父は凧づくりの名人で毎年作っては去年もその前も優勝していたという。それを後ろから見ていて手伝うとしゃしゃりでる紋太。喜ぶコウジだが、何故かリョウイチはかたくな態度だった。

 早速凧を完成させる紋太だが、リョウイチから「それじゃ揚がらない」と言われ試しに砂丘に行くが何度やっても揚がらない。
「砂丘で揚げる凧は特別なんだ」と言い行ってしまうリョウイチとコウジ。
それに奮起した紋太は街の本屋で凧揚げの本を買おうとするがなく、代わりに今は三朝ロイヤルホテルの支配人をしている凧作りの名人を紹介して貰い早速会いに行く。

しかし今は正月で忙しいからと断られてしまうが食い下がる紋太。
そこに仲居さんが今お客が駅に着いたというのにお客さんを迎えに行く車がない言う。それを聞き、後で凧づくりの秘訣を教えて貰うと言う約束でK-100で迎えに行く事に。

そしてK-100はお客を乗せてホテルへと走っていたが、そのお客とはなんと節子だった!
3ヶ月ぶりの再会にはしゃぐ紋太だが、節子は何故か仏頂面。どうしたのかと問いただすと古新聞を取り出し、スナックをやったり九谷焼を焼いたりと、K-100が可哀想で紋太に会ったら文句を言おうと手ぐすね引いて待っていたと言う。

「あたしがちょっと目を離してるスキにあなたって人は、K-100にさんざん無理をさせて自分の名前を売り出そうとこんなゴシップまで新聞に売り込んだりして」
慌てて弁解する紋太。
「これはどれもこれもあいつが仕組んだ事なんじゃ!」

 その頃、あいつこと、石橋自転車で砂丘にいた。
なかなか凧揚げがうまくいかないリョウイチ、コウジを見つけてK-100の所在を確かめる石橋。
鳥取にいると聞き張り切って自転車で行こうとするが車輪が砂に埋まって転んでしまった。

 ホテルのロビーで石橋の事を聞き「ようし、今度会ったらあたしが徹底的にこらしめてやる!」
と息巻く節子に「さすがじゃ〜」と感心している紋太。
しかし節子は仕事があるので以前のように行動を共にする事はできないと言う。
「全国の城下町や温泉を撮る仕事を始めたの」
そして節子は支配人に促されて仕事へ行き、一緒に支配人も行ってしまったので紋太はしかたなく街を行く。

 その途中、バスを待っているホテルの仲居さんを見かけてK-100に乗せてあげると、その仲居さんはリョウイチ、コウジ兄弟の母親だった。人が休んでる時が忙しい仕事なので子供もかまってやれず、父親も道路工事の現場監督で帰って来られないので、時間ができたのでせめてお弁当を届けようというのだ。

 しかし家に着くと泣きながら飛び出してくるコウジ。喧嘩の原因はリョウイチの作った凧がよく揚がらずコウジが、「父ちゃんじゃなきゃダメなんだ」と言った為だ。

泣いているコウジをK-100に乗せてやる紋太。主題歌をバックに砂丘を爆走するK-100!
縦横無尽に砂丘を走りまくり!
そして帰ってこられないお父さんと、仕事が忙しいお母さんの代わりに正月コウジ達と過ごすと約束する紋太。
早速K-100の釜で蒸した餅米で餅つきをし、夜はK-100の釜で沸かしたお湯でドラム缶風呂と、コウジと楽しく過ごすがリョウイチはその輪入ってこなかった。2人が寝てる間もリョウイチは、じっと破けた自分の凧を見つめていた。
そして翌朝、コウジが目を覚ますとリョウイチはいなくなっていた。慌てて紋太を起こすが、紋太もただビックリ!

その頃節子は鹿野町山中鹿之助の墓鹿野城跡で写真を撮っていた。
自分の記事でこの鹿野町が萩や津和野みたいに観光客でいっぱいになったら、と相変わらず胸に野望を抱いている節子。
ふと見ると足を怪我して動けないリョウイチを見つける。話を聞くと凧の秘訣を聞く為にお父さんに会いに行くつもりだったらしい。
節子に肩を貸してもらって歩いている所にK-100に乗ったコウジと紋太が現れた。
そしてコウジをガッカリさせない為にも、一等賞になる為に秘訣を父に聞くつもりだったと言うリョウイチに紋太は
「もう一度僕らだけの手で凧を作ってみよう。お父さんに心配掛けちゃならん。僕らは僕らで精一杯作って、それでダメなら男らしくあきらめるんじゃ」

そして紋太、リョウイチ、コウジは又砂丘で凧を揚げるがやはりうまくいかない。そこに節子が支配人から聞いた秘訣を教えにやって来た。
「材料の竹を選ぶの、山から生きのいいのを切ってきてしっかり乾燥させるんだって!」
そして竹ひごから作りもう一度凧を作り直す一同。

そして凧揚げ大会の日。気合いを入れる3人。
やがてついに砂丘の空にK-100の絵の描かれた凧が舞い上がった!
その揚がりっぷりに他の子供達もビックリ。K-100も満足気に汽笛を鳴らした。

新聞に載った凧揚げの記事を読んで驚く石橋!
「まだ砂丘にいたのか!」と自転車に飛び乗り走り出そうとすると威勢のいい声に呼び止められる。
「K-100、K-100となれなれしい!」
怒った石橋はおばさんこそなんだと言い返すがなんと
「私こそあの紋太を送り出した聖母、嘉代じゃ!」

そう誰あろう嘉代なのだ!


正月なので家庭の味を食べさせようと料理を持って紋太に会いに来たと言う。
紋太のお母さんと知り態度を改める石橋。自転車の荷台で送ろうとするが力およばず倒れてしまう。
「やはりやさ男には無理じゃの〜。ゴーイングマイウェイ!」
と嘉代は石橋を置いて行ってしまった。

さて一方、K-100と紋太はお礼と言うことでホテルの露天風呂にK-100と一緒に入れて貰っていた
リョウイチとコウジがくつろぐ脇で紋太に洗ってもらい、寒いだろうとお湯をかけてもらうK-100。
それを写真に撮ってる節子。
そして綺麗になったK-100に「K-100にもお正月させなきゃ」と節子が持ってきたお飾りを付ける紋太。
その姿がストップモーションになって
(つづく)


さて今回は放送当時、昭和49年度一発目のエピソードの為お正月スペシャルという事か節子、嘉代の復帰や温泉につかるK-100、砂丘の大爆走と盛り沢山の一篇です。とにかくやはり節子と嘉代がいると番組の雰囲気が変わります。

節子は台詞だけ聞いていますと、なんとなくセミレギュラーな予感もしますが、ラストにちょこっとだけ出てきた嘉代と石橋はどうからんでくるのか楽しみです!
(まさかサービスであれだけって事はないでしょうが後半に嘉代が出演していた覚えがない?)

しかしK-100の砂丘爆走は見ていて爽快でした。斜面の下るところは見ていてハラハラするようでしたがまさにバギーの本領発揮!その走行性能を存分に見せつけてくれます。
しかも最後は露天風呂、しかし露天風呂の中であんなに泡たてて洗っちゃいかんだろう紋太さん、とちょっと思ってしまいましたが。
とにかくサービス精神旺盛な盛りだくさんの回なのですが、それだけに肝心の凧揚げとリョウイチ、コウジのストーリー上の印象が弱くなってしまいました。
結局観終わった後にほとんどストーリーを覚えていない、と言うか凧揚げどうなったんだっけ?という感じでした。
これは節子の登場に私が舞い上がってしまった為かもしれませんけどね。

しかし節子の登場は再会というシーンがなくいきなりいるので度肝抜かれてしまいました。
それにつけても久々の節子節と70年代ファッション炸裂でしたが、あの衣装は70年代というのを差し引いてもセサミストリートのモンスターの様でちょっと・・・

リョウイチ役の佐瀬 陽一氏は「レインボーマン」初期にマカオの日本人孤児役をしていましたがわずか1年くらいで別人のように成長しています。
しかし前回と今回と「レインボーマン」に出てい方が続きますねぇ。

さてケー100も残すところ1クールです。節子と嘉代もどうからんでくるのか!
それも含めて次回もお楽しみに!

(2003.1/18up)


放送リストへ                       40話へ