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「 教頭先生は大助かり−大山の巻−」


監督:青野 暉
脚本:青野 暉

主なゲスト
教頭先生・・・高品 格
キシモト(クロード高木のマネージャー)・・・紅 理子
ゴロウのお母さん・・・小園 蓉子
ゴロウ・・・簾内滋之


さてK-100は前回に引き続き鳥取県大山(だいせん)、大山寺(だいせんじ)弓ヶ浜(ゆみがはま)のある米子(よなご)近辺を走っていた。

手紙をくれたイカワヒロシ君を訪ねて商店街に乗り込むK-100。
だが引っ越した後で移転先は皆生温泉(かいけおんせん)という、通りかかった人に場所を聞く紋太さん。
「車なら10分だがこんな変な機関車じゃ1時間くらいかかるんじゃない?」
その一言に奮起した紋太は、10分くらいならといざ皆生温泉へ。

皆生温泉に着いたもののやはりヒロシはいない。そこでK-100を見ている少年(ゴロウ)に聞いてみると又しても引っ越していた。
どうしたものかと思っているとゴロウが「僕もK-100の熱烈なファンだから乗せて」と言うので、紋太はゴロウ君を乗せて皆生温泉の海水浴場を爆走、そうこうしてるうちに夕方になったので旅館をやっているゴロウの家まで送っていく事にする。
ゴロウ君は泊まってくれと言っているが、迷惑だろうからこのまま出発しよう、と思っていた紋太だが、ゴロウの母からも言われてお世話になる事にする。

そして紋太がゴロウと温泉につかり羽を伸ばしてるのと同じ頃、ロビーでは、「会見小学校・分教場」の教頭先生が、生徒達がアルバイトして貯めたお金を持ち、分校で行われる演芸会の為に今人気絶頂(?)の歌手、クロード高木のマネージャー(キシモト)に出演依頼していたが断られていた。この街にある学校でちょっと顔出せばすむならともかく、往復5時間もかかる大山の山奥まで行けないと言うのだ。

その話を同じロビーでたまたま聞いていた石橋は教頭先生に取り入ろうと話を聞いていた。
「1年にたった1度の演芸会。しかも生徒達が自分たちの稼いだお金であこがれの歌手を呼ぶ。それがダメ!こういう時にK-100がいてくれればなぁ・・・」
と窓の外を見るとそこにはK-100が!
急ぎ教頭先生を待たせて紋太の部屋に駆け込む石橋。いぶかしむ紋太を物ともせずに話をまくしたてる。
「ヒューマニズムあふれる主人公に、ケー100を貸して欲しいと、極めて紋太さん向きの話ですよ!」
とりあえず紋太が教頭先生の話を聞くという事にして教頭先生の所に戻る石橋。

しかしここで石橋は教頭先生にギャラの話を持ち出してきた。
あくまでも紋太がお金を要求しているが、世間的には慈善で子供達に会いに行ってるという事にしたがってるので紋太の前ではお金の話は一切しない
、と教頭先生をまるめこんだ石橋は2人で紋太の所へ。

そして教頭先生の話を聞いた紋太は即、快諾!
明日行く事を約束するがその際、子供達が稼いだお金は又別に子供達の為に使ってくれと念押しする紋太。
その脇では石橋が妙にかしこまっていた。

翌日、石橋と教頭先生を乗せて大山に出発するK-100。
子供達はクロード高木にサインしてもらうんだと待ちかねていたがやって来たK-100の姿に驚きの歓声をあげる。
その子供達の中にヒロシもいた。
「僕に会いに来てくれたんだ!」とK-100に駆けよるヒロシ。
会えて喜ぶ紋太、早速K-100から石橋を降ろしてヒロシを乗せて一路分教場へ。

さて、分教場の校庭で生徒達に紹介されるケー100と紋太。
紋太がK-100の釜から焼き芋を出してふるまってると石橋が「ここは彼に任せて我々はビジネスの話を」教頭先生を促しそそくさと校舎の中へ。
そして石橋はまんまと子供達が働いて稼いだお金を懐に。

その頃ケー100は、さつまいもが焼けるならジャガイモもふかせるよね、と言われて煙突から油と共に入れるとなんとジャガイモはポテトチップスに!
わ〜と湧く子供達。
「K-100特製のポテトチップスじゃ」
とみんなに配ってお腹もふくれた所で子供達と一緒に走るK-100。
校庭を出て村を走り戻ってくるケー100と子供達。(バックに流れるは「いいじゃないか」の1コーラス目)
本当は水の上も走れるのに見せる事ができないからと、K-100に一人ずつ乗せて校庭を一周しているのを見て、もっともらしくうなずいてみせる石橋。
今後のK-100のスケージュールを決めなくてはいけないからと早々に引き上げようとするが、今一度教頭先生にお金の件は紋太に言わないよう念押しをして出ていく。

そしてヒロシの次に乗せる子供を決めようとしていたら突然K-100が暴れ出した!
心配する子供達に
「大丈夫じゃ!何か事件を知らせてるんじゃ!」と乗り込む紋太。
その頃石橋は神社の境内で電卓片手に金勘定。
「おっかしいな〜、一人1500円の積み立てで・・・(電卓を叩き)チクショウ、誰かごまかした奴がいるな」
と、そこにK-100の汽笛が!

見ると石段を登ってくるK-100の姿に一目散に逃げ出す石橋!
神社の縁の下に隠れるも、K-100のに煙幕を浴びせられ、ほうほうのていで逃げ出す目の前にヒロシが竹鉄砲(?)をもって立ちふさがり、目つぶし粉の入った玉を顔面に受けてあえなく紋太に捕まってしまった。

「さ〜何をしたんじゃ!」と問いつめられて、渋々もらうつもりはなかったがと前置きをしてお金を貰った事を告白。
取り返したお金ヒロシにと「来年の演芸会まで大事にとっておくんじゃ」渡す紋太。
「K-100はお金儲けが大嫌いなんじゃ」

そして子供達と教頭先生に旅立ちの挨拶している紋太。
ヒロシから「お腹が空いたらポテトチップスにして食べて」と餞別に子供達が作ったジャガイモを渡される。
それをありがたく受け取りみんなに見送られて出発するK-100。
みんなの声援に振り返り、手を振る紋太さんの姿がストップモーションになって
(つづく)


今回は、前回と引き続き鳥取県です。しかし突筆すべきは監督・脚本が青野監督単独という事です。
その為か砂浜を走り、石段を登り、ポテトチップスを作るなどK-100的にも見せ場もあり、石橋と紋太、そして子供達との交流が丁寧に描かれた原点に返るというか再確認するような回でした。久しぶりに「いいじゃないか」も流れましたし。

劇中ヒロシ君が石橋に放った武器はなんでしょうね?解る方がいましたら一報お願いします。

しかし!前回出てきた節子と嘉代が出てこなかったので少々肩すかしを食った印象も残る回でした。
節子は台詞の中でセミレギュラーっぽい事を言っていたのでいいとしても、ラスト近くに出てきた嘉代は顔見せだったのでしょうか・・・
このままではあまりにあまり・・・

それを差し引いても楽しめる回ではあります。しかし石橋が誰かお金をごまかしてると言ってた前後に妙に意味深なヒロシのUPが続いたので、てっきりヒロシが払っていないと言う風に話がいくのかと思いきや、まったくそんな事はありませんでした。

冒頭の商店街は劇中の皆生温泉まで車で10分と言うのが本当ならば米子駅前と思っていいかと思っています。
しかし今回も旅館(ホテル?)が特定できない撮り方でした。どちらか解る方がいましたらご一報を。

今回のゲスト陣は高品格氏を筆頭に昭和30年代から活躍するベテラン揃いの豪華な布陣でした。
以下プロフィールをまとめました。

高品 格(たかしな かく)氏は1930年代から日本映画界で活躍、元プロボクサーの経歴のある方です。日活を退社後TVでも時代劇の同心からヤクザと幅広く、現代劇でも刑事役が印象に残る名優です。同時期の子供番組ではやはり「ロボット刑事」(73年・フジテレビ・東映)の芝刑事役でしょう。
比較的若い方にはBOSSのCMでの刑事役が有名でしょうね。
84年、「麻雀放浪記」で日本ブルーリボン賞、日本アカデミー賞他6つの映画賞で助演男優賞を受賞。
残念ながら1992年3月11日、享年75歳でお亡くなりになっております。

紅 理子(くれない りこ)さん
昭和38年、松竹株式会社入社後、木下恵介監督の「今年の恋」でデビュー。前田陽一監督の「にっぽんぱらだいす」野村芳太郎監督の「拝啓天皇陛下様」などの映画作品を経て、「美しきチャレンジャー」「太陽野郎」「ナショナルゴールデン劇場」「悪魔のようなすてきな奴」などのテレビドラマにレギュラー出演。テレビではほかに「大江戸捜査網」「Gメン75」「ザ、ハングマン」「ザ、ガードマン」「大根の花」「太陽にほえろ」などに出演。また多数舞台で活躍。

小園 蓉子(こぞの ようこ)さん
昭和20年代から松竹作品でデビュー、その後日活に活躍の場を移し、数々のTVドラマ、舞台に出演。

簾内 滋之(すのうち しげゆき)氏
後に「すのうち滋之」と改名して、『BD7 少年探偵団』(75年10月〜76年3月・日本現代企画+NTV)のゴムカン役を熱演しました。
(この文章は関屋さんのBBSの書き込みを転載しました)


節子と嘉代は今後も出てくるのでしょうか?次回も青野監督、監督・脚本です。お楽しみに!

(2003.2/1up)


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