石橋正彦裏話
ペテン師石橋こと、杜沢泰文(現・杜澤たいぶん)様が掲示板に書いてくれている
裏話をお借りしている写真と共に再掲載しています。
 
石橋正彦裏話その14  投稿日:2008年 3月 7日(金)16時48分32秒

 天下一大物伝(※)の主役の俳優さん(名前は失念しました)はK−100第46回『阿蘇の巻噴火だ!救助隊出発』編の救助隊員の1人として出演していたのをご存知かな?
他にも「ああ、あの人が」と思う方が出演されています。

 第47回『機関車をノックアウトせよ! 指宿の巻』でボクサー役の津坂浩史は秋野大作さんの弟さんです。

 第50回おじいちゃんの軽便鉄道 沖縄の巻 石立昭男さんは石立鉄夫さんの弟さんです。
おじいちゃんの軽便鉄道の「藤原釜足」さんとの共演(絡んではいませんが)は私にとってとても大切な思い出になっています。
おじいちゃんの役を「藤原釜足」さんがおやりになることを知って、どんなに心ときめかしたことか・・・。

私にとっての「藤原釜足」さんは黒澤作品に出演されていた憧れの俳優さんです。沢山の黒澤作品に出演されていてどれも素晴しいのですが、特に印象に残っているのが「天国と地獄」のゴミ焼きのお爺さん役です。ちょっとしか出ていませんが私はこの時の「藤原釜足」が大好きでした。
(一度でいいから黒澤作品に出たかった!)

第50話、ボロボロの正彦。

 「藤原釜足」さんが沖縄に入られる日、その日は撮休で私は劇団時代アルバイトでお世話になった渋谷の日本料理屋のお姉さん(沖縄出身)に会いに行っていました。

夕方には「藤原釜足」さんが入られるとの事で楽しみにホテルに帰って来ると、ロビーでスタッフの方々が騒いでいるのです。どうしたのかお聞きすると「藤原釜足」さんが空港には付いているのだが何処に行ったか居場所が分からないとの事でした。しばらくロビーで待っていると来ました!来ました!「藤原釜足」さんです。スタッフの方々が出迎えて皆さん一安心。

憧れの「藤原釜足」さんがそばにいる!部屋に入ろうとしている藤原さんに
「どうされたんですか?」と聞くと
「ああ、空港に着いたら誰だか知らない人に連れて行かれ、今までその人と飲んで居たんだよ」
「ええ!知らない人とですか?」
「うん、何処に泊まるのかと聞かれたんで、ホテルの名前を言うと「ああ、私知ってますから送って行きますよ」と言われて、そのまま飲みに連れて行かれ、いままでその人と飲んでいて、ここまで送ってもらったんだ。いや、参ったよ」

と、ほろ酔い加減なんです。
飄々と言う「藤原釜足」に私は思わず噴いてしまいました。

49話、玉泉洞ロケの1枚。

 撮影の時も「藤原釜足」さんの芝居が見たくて、用もないのに何時もそばにいました。
K−100は音が出るのでK−100に乗って台詞のある撮影はスタッフでK−100を押すのですが、私も一緒になって押し「藤原」さんの台詞を聞いていたものです。
撮影の合間も「藤原釜足」さんのそばを離れず何時もそばにいました。
そばにいるだけで私は幸せ!。ああ、今となっても至福の時でした。

翌日私は撮休でした。その夜、撮影を終わった大野先輩が笑いながら私に言うのです。

「正彦「藤原」さんがね、お前の事「あの格子の背広の若いの誰のマネージャーなの?」って聞くんだよねぇ。はははは」
「え!?何処のマネージャー?・・あーあ!」

「藤原」さんと台詞の絡みがない私がアタッシュケース持って「藤原」さんの廻りをうろついていたので誰かのマネージャーと間違われたのです。

「藤原釜足」さん! 『私はK−100のマネージャーです!』

後に「天下一大物伝」でもご一緒させて頂きました。(枝川監督有難うございました)
大好きな「藤原釜足」さん。本当に、本当に有難うございました。(合掌)

杜澤たいぶん。

※「天下一大物伝」原作梶原一騎、作画大島やすいちにより少年サンデーに連載された漫画。ドラマは1976年10月から77年3月まで、東京12チャネル(現TV東京)毎週火曜19時半〜20時の30分、全26回で放映。主演は役名そのままの無双大介、共演は岡本信人等。(放送データ、出演者はテレビドラマデータベースより)