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「シュッシュポッポ海の上! −広島の巻−」


監督:青野 暉
脚本:高橋 二三・青野 暉

主なゲスト
アキオの父親・・・金井大


今日も隆は地図を手に紋太の事を心配していた。
「紋太さん、山口ではおかあさんに捕まりそうになったという手紙が来てたけどK-100は無事脱出できたかなあ?」

という隆の心配をよそにK-100は快調に進み広島県は宮島の対岸に居た。
宮島を眺めながら紋太は日本三景の一つだからと思うが観光旅行じゃないしと断念。
その頃節子とノブちゃんは宮島にいた。おかみさんは持病のシャクの為に山口の病院に置いてきたという。すっかり観光気分のノブちゃんだった。

昼間だというのに一眠りする事にする紋太、宮崎でK-100を盗まれた経験を生かしK-100の中で寝ることにする
しかし紋太が眼を覚ますとなんとK-100は海の上で厳島神社の鳥居のそばまで流されているではないか!
「しょうがない!海の上を走ってみるか!」と勢い運転してみるとK-100は海上を走り出した!?
それを見た節子は写真を撮ろうとするもフィルム切れの為買いに走っていた。

大鳥居の前を横切り果ては鳥居をくぐるパフォーマンスを宮島に居る人達に見せつけるK-100(なぜかポンポン船と同じ音で汽笛も霧笛になってるぞ!)そのまま海を渡り広島に上陸した。満足気にK-100のライトをなでてやる紋太、それに答えるようにK-100も汽笛をならす。
と、そこに自転車に乗った少年(アキオ)が来て紋太に話しかけた。アキオはさっき宮島でK-100の事を見ていたのだ。
凄いマシンだと感心するアキオに走れない所は無いと自慢するが実は海の上を走れるとは知らなかったと告白する紋太。
そんなこんなで「僕のうちのに泊まれば」とアキオに誘われ紋太は一緒にアキオのうちに行く事にする。

買い物から戻った節子はノブちゃんからケー100は広島に行ってしまったと聞かされ「広島にはプロのキャメラマンが沢山いるからグズグズしてたらピューリッツア賞さらわれちゃう!」とあわてて広島へ。

アキオはインド洋から帰ってきた父親を迎えに桟橋に来ていた。
その帰りに父親に新しい自転車をねだるが「今の自転車が乗れるしお前はすぐ飽きるからダメだ」と言われてしまう。

翌朝、本当にアキオのうちの庭(というより家の前)で野宿をしていた紋太は、挨拶をするとこれから倉橋島に嫁に行った娘にみやげのマグロを届けるという事だがだが、それをアキオが自転車で届けると言い出す。

届けたら新しい自転車を買ってもらおうという魂胆だった。宮島→広島→呉→音戸→倉橋島の道のりは約60km、時速10kmで約6時間!父親は男だからこれくらいの冒険と言うが紋太は心配した母親から方角が一緒だから何かあったら助けてくれと頼まれてしまう。
そしてアキオは自分一人で行くと出発してしまった。

道すがらアキオは止まってるK-100を見つけ「修理する振りして待ってたんだろ、助けはいらないから」と言い捨てて走っていく。
そこに節子が現れ「なんで宮島でK-100に海の上を走らせるのを教えてくれなかったの、他のキャメラマンにスクープされたらあたしの面子が無いじゃない!」とねじ込まれる
関係なかと突っぱねるも「K-100を世に出したのはあたしのおかげ」と言われあっさり「どうもすいません」と謝るやはり気の弱い紋太だった。

そして節子を乗せてアキオの後を追うとパンクしてガソリンスタンドで往生しているアキオを見つける。
そこでさっき紋太に「助けはいらない」と言っておきながらお金貸してと頼むアキオにあっさり渡そうとするが、思い直して自分でなんとかしろと言う紋太。
節子に「イジワルしないで」と言われるが「この子は自分の力で倉橋島に行く事を決めたんじゃ、だから助けてもらってはいかんのです」と紋太はアキオに「何か手伝いをして修理代にする事もできるんじゃ」と教えアキオはガソリンスタンドの手伝いをする事にする。

そしてK-100とアキオくんは順調に広島市に入り原爆ドームの脇を走り抜け潜水艦の停泊している呉港を通り過ぎる。
途中アキオが来るのを待っているK-100に業を煮やし節子は今日中に福山に行かねばならないからと先に行ってしまう。

そこにアキオがやってくるが少し間を置いて追う事にする紋太。しかし暫く行くとアキオは登り坂の途中で座り込んでしまっていた。

紋太が止まって励ますが
「もう、やめた。こんな事馬鹿馬鹿しいよ、自転車はお父さんの機嫌のいい時買ってもらう」
と言うのを聞きK-100の汽笛が鳴る!
「K-100もだらしがないと怒っとる」
という紋太さんにアキオは訊ねる。
「紋太さんも北海道に行くのが嫌になった事はない?」
「何度もあるがあきらめる訳にはいかんのじゃ」
「紋太さんはK-100を北海道まで持っていくと何がもらえるの?」
「(首を振って)何ももらえやせん」
「何ももらえないのにどうして行くの?」
「隆くんと男と男の約束をしたからじゃ!」
それを聞いたアキオは
「・・・・・・僕もお父さんとの約束を破ったら男じゃなくなるね」と又自転車をこぎ出す。
紋太も「子供に負けてられん」と意気込むとそれに答えるようにK-100の汽笛が鳴った。

しかし音戸大橋を越えて倉橋島に入ったと思ったら荷台のアイスボックスから水が流れ出ている。氷が溶けてしまったのだ!
このままではマグロがダメになってしまう!が、ふと見ると駄菓子屋がある。そこでアキオはそこの駄菓子屋の子供の宿題を手伝う家庭教師をしてアイスキャンディーを分けてもらい氷の代わりに使う事にする。

アイスを分けてもらい再出発したアキオは。薪を調達してる紋太さんを追い越して走って行く。
それを見送りK-100がアキオの姉のうちに着くと姉夫婦、お父さんが出迎えてくれるがアキオはまだ着いていないと言う。驚く紋太!お父さんをK-100に乗せて探し回る、するとアキオは又パンクをして直してもらう為に自転車屋の手伝いをしていた。思わず「もう自転車なんていくらでも買ってやるからマグロは持って行ってやる」と言うお父さんに「約束は守らなくちゃいけないんだよ」と突っぱねるアキオ。

そしてラストスパート!必死に坂道を登るアキオの後ろから着いていくK-100、そしてついにアキオは姉のうちに着いた!
喜びいさんで「これでお前は新しい自転車を持つのにふさわしい男になった!」と言う父親にアキオは
「いらないよ、僕はこのポンコツ自転車を大事に使っていく」と答えた。
その姿に感激して紋太にお礼を言うお父さん。

照れまくる紋太さんの顔がストップモーションになって
(つづく)


さて今回はK-100水上走行お披露目編。厳島神社の大鳥居を横切るばかりか回り込んでくぐる様はいいのか?と我が目をうたがってしまうやはり今となっては貴重な映像です。
しかし今回紋太はアキオに「実は海の上を走れるとは知らなかった」と言ってましたが3話で子供達にしっかり「水陸両用」と語っていました。
これが以前書いた矛盾点ですが、そう言ってしまえば5話で必死に海越えを頼む事も無かったのでそれはそれ、ドラマとして盛り上がったのでOKと言う事で(笑)

しかし今回のK-100のペイントが妙に綺麗でした。煙突の先はあいかわらずでしたが釜の蓋も前回ほぼ茶色だったのに黒に近く塗り直したのか、違う車体だったのかも知れません。
釜の蓋の色的には5話では茶ベースにススのように黒がすりつけた感じで、6話ではほぼ茶色、今回ほぼ黒と撮影順序が予想できそうな代わり具合です。

内容的には盛り沢山でテンポもよくK-100が道路(町中)を走るシーンも普段より多めに感じ全体としてまとまりのいい面白い回です。特筆すべきはK-100と紋太さんの関係に相棒色が強くなってきたという事ですね。ゲストの金井大氏は「大草原の小さな家」のエドワードおじさんの声優としても有名です、やはり本州に入ってからゲストが豪華になった気が・・・

次回は子役ゲストが内海和子という名前ですが某お○ン子サイトで子役時代の内海和子出演!と書かれていましたがそうなんでしょうか?
それも含めてお楽しみに!

(2002.5/19up)


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